更新日: 2019.07.17 その他暮らし

若者が【車離れ】した理由とカーシェアリングの脅威

執筆者 : 木田美智子

若者が【車離れ】した理由とカーシェアリングの脅威
最近、車を持たない若者が増えているって聞いたことありませんか? あなたの周りの方はいかがでしょうか。特に女性は免許証だけは持っているけれど、1度も運転をしたことのない人が多いように感じます。
 
証明書としては写真入りでとても重宝しますが、証明書のためだけなら他にもありますし、免許自体を取らない人も増えているようです。
 
警察庁交通局運転免許課平成25年の統計でみてみると、全免許取得者の中の比率の中で16~19歳は1.3%、20~24歳は5.9%、25~29歳は7.6%、30~34歳は8.7%、35歳から10%超えとなっています。
 
免許取得者の前年比でみても30代後半までマイナスになっています。免許の取得者自体も減少傾向にあるようです。
 
車を買わなくなったのは、経済的な面も大きいと考えられます。どのくらい違うのか一緒に見ていきましょう。
 
木田美智子

執筆者:木田美智子(きだ みちこ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
確定拠出年金相談ねっと認定FP、DCアドバイザー、証券外務員内部管理責任者、相続士、金融知力インストラクター、FP未来への扉(幹事)、SANWA DCサポート代表。

車を買わなくなったのには理由があるようです

地方においては、車は1人1台が基本です。職場に通うのも買い物に行くのも、すべて車を使わなければとても不便。なぜなら、定期運行されるバス路線が廃止になっているところも多いからです。
 
地域性はありますが、都市部のバスや電車で移動が簡単にできるところでは、車を持たない若者が増えていると聞きます。モノに対する所有欲がないことに加えて、経費がたくさんかかる車を持ちたくないと考えているようです。
 
ガソリン代や駐車場代、毎年の税金、車検代などたくさんかかる維持費にお金をかけたくないと考えているためではないでしょうか。必要な時は、近くの両親の車を借りて使っているという人もいます。
 
ガソリン代やETC料金も余裕のある両親に負担してもらってお得に使っている人もいます。全く車を使わないわけではないのですが、カーシェアリングなど、所有しないで必要な時だけ便利に使う人もこの年代に多くいます。
 
仲間との付き合いを大切にする彼らは、どこかに出かける時も、車を借りて経費を分担するなど上手に活用しています。
 

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車を購入した時の維持コストはどれくらい?

日本自動車工業会が発表した「2017年度乗用車市場動向調査」によると、現在車を持っていない若者のうち、車に関心がない人の割合は57%と半数を超え、車を買いたくないという人も54%と前回調査を上っていました。このように車を持たなくなった理由の維持管理コストや税金にも原因があるようです。
 
車を購入し所有したらどれくらいのコストが掛かるのでしょうか。
 

購入時 車体+オプション

(1)消費税 8% 
(2)取得税 取得価額(約0.9)×3%
※エコカー減税対象車は減額有り
(3)登録費用
(4)車庫証明費用
(5)納車費用
 

保有時

(1)重量税(新車購入時3年分、車検時2年分)
※エコカー減税により減額有り
(2)自動車税(グリーン化特例、登録13年目から標準より15%増)
(3)ガソリン代(ガソリン税、石油税、消費税)
……ガソリン価格の約87%の税金
(4)駐車場代(東京都3万円超、神奈川県1.5万円超など立地により様々)
(5)2年に1回の車検代金
 
上記のようにたくさんの税金、費用が掛かってきます。


 

車の費用とカーシェアリングの費用はどれくらい違うの?

車を購入した場合の諸費用を5年間で比較してみました。
 
車を購入した場合には、車本体代金に税金、諸経費がかかります。上記の事例でホンダのフィットを買ったとします。購入時に約250万円です。駐車場代を月1万5千円として年間18万円。
 
ガソリン代を月に2万円として年間24万円。そのほかに道路の通行料金が車のメンテナンス代金など掛かります。月5千円として年間6万円です。また3年目、5年目には車検がやってきます。
 
1回に20万円前後かかるのではないでしょうか。毎年の自動車税も3万4500円が原則かかります。5年間で合計してみると車代金250万円と諸経費5年分では約297万円もかかる計算です。車代金を含めて550万円かかります。
 
それに対し、カーシェアリングやレンタカーを使って、必要な時だけ使っていた場合で計算してみます。T社料金でみてみると、近くへの買い物時に1時間半2,060円で借りられます。週に1回、月4回借りたとして8240円。年間で9万8880円ほどです。土日の遠出をし、6時間借りて4,020円です。月に2回借りて8,040円。1年間では9万6480円ほどで済みます。
 
今度はレンタカーを借りた場合で考えてみます。旅行先でフィットを24時間借りた場合7,344円。2か月に1回カーレンタルを利用した場合、年間44,064円となります。ガソリン代が別途必要になります。1回1万円で計算して6万円です。カーシェアリングとカーレンタルを使用しての料金を見積もるとかなりの頻度で車に乗っても、5年間の見積もりは150万円ほどになります。
 
会員サービスもいろいろ付いているようです。ポイント活用でさらにお得になることも考えられます。利用できるステーションもどんどん増えて便利になってきています。サービスチェックもお忘れになりませんように。
 
計算結果でみてみると使う頻度により異なりますが、車所有よりカーシェアリングを使った場合、5年間では400万円ほど少なくなります。給与が減少傾向の若い世代にはとても大きな金額です。
 
合理的な生活スタイルに慣れている若い世代の人たちは、身の丈にあったものを使い、無理をして求めないところが特徴のようです。
 
車所有者が減少している事実は、経済的な面を考慮し、便利さも上手に活用しているのです。時代に合ったシェアビジネスが増えていることも要因と言えるでしょう。
 
特に人生100年時代といわれるようになり、無駄を削って、将来のためにと考える人が多くなってきていることも理由のひとつではないでしょうか。

Text:木田美智子(きだ みちこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者