「児童手当」がもらえない!? 「所得上限限度額」ができたことで共働き世帯は不利になる?
配信日: 2023.07.20
所得によっては、制度が適用されなくなってしまうために、不安な方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、改正された児童手当制度についてまとめました。
「児童手当制度について詳しく知らない」「2022年10月に、何が変わったの?」という人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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児童手当制度とは?
児童手当制度とは、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している人に適用される制度です。
ただし、その人の所得額によって、支給される額が異なります。
表1【児童手当の支給額】
児童の年齢 | 児童手当の支給額(児童1人あたりの月額) |
---|---|
3歳未満 | 一律1万5000円 |
3歳以上 小学校修了前 |
1万円 (第3子以降は1万5000円) |
中学生 | 一律1万円 |
※内閣府「児童手当制度のご案内」をもとに筆者作成
表1の額が、原則、年3回(6月・10月・2月)に分けて、支給されます。
児童手当の受給者は、生計を維持する程度が高いほうを指し、共働きの場合は「所得が高い人」が受給者となります。世帯全体での所得ではないため、注意しましょう。
2022年10月以降の変更点は?
2022年10月の改正では、新たに「所得上限限度額」が設けられました。
今までは「所得制限限度額」のみであり、指定の額を超えた場合は、児童1人あたり、月額一律5000円の特例給付が支給されていました。
しかし、「所得上限限度額」が設けられたことで、所得上限限度額を超えた所得がある場合は、児童手当も特例給付も、支給されません。
具体的な所得制限限度額と所得上限限度額は、表2の通りです。
表2
扶養親族等の数 | 所得制限限度額 | 所得上限限度額 |
---|---|---|
0人 (前年末に児童が生まれていない場合 等) |
622万円 | 858万円 |
1人 (児童1人の場合 等) |
660万円 | 896万円 |
2人 (児童1人+年収103万円以下の配偶者の場合 等) |
698万円 | 934万円 |
3人 (児童2人+年収103万円以下の配偶者の場合 等) |
736万円 | 972万円 |
4人 (児童3人+年収103万円以下の配偶者の場合 等) |
774万円 | 1010万円 |
5人 (児童4人+年収103万円以下の配偶者の場合 等) |
812万円 | 1048万円 |
※内閣府「児童手当制度のご案内」をもとに筆者作成
「所得制限限度額」以上「所得上限限度額」未満の場合は、従来通り、特例給付が受けられます。
なお、児童手当が支給されなくなった後に、所得が「所得上限限度額」を下回った場合には、再び、認定請求書の提出などの手続きが必要になります。
自分たちの所得を確認して支給されるかを確認しよう
2022年10月に改正した内容では、新たに「所得上限限度額」が加わり、児童手当のみならず、特例給付までも受け取れない家庭が出てきてしまいます。
そうなると、「世帯所得が増える共働き家庭は、不利なのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、児童手当は、所得の高い、一方の人が支給対象となります。そのため、共働き家庭でも、不利になることはありません。
まずは、自分たちの所得を計算して、支給対象になるのかを確認しましょう。なお所得とは、年間収入額から各種所得控除額を差し引いた額であり、給与収入ではないことに、注意が必要です。
出典
内閣府「児童手当制度のご案内」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー