スーパーの商品に貼られた値引きシールを別商品に貼り替えたら、どれくらいの罪になる?
配信日: 2018.08.17 更新日: 2019.01.10
値引きシールはお店が決めた一定の商品に貼られるものです。自分の欲しい商品には値引きシールが貼られていなかった。といった経験のある方も少なくないでしょう。
そんなとき、こっそり値引きシールを別の商品に貼り替えて購入したいと思ったこともあるのではないでしょうか。
しかし、値引きシールの貼り替えは、想像以上に重い罪となることもあるのです。
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
値引きシールを貼り替える行為はお店を騙す行為!
お店は「特定の商品を早く売ってしまいたい」「本日の目玉商品として売り出したい」など、何らかの意図のもと商品に値引きシールを貼っています。
しかし、値引きシールを別の商品に貼り替えると、お店の意図しない商品において値引きが発生してしまいます。そして、本来値引きして売りたいはずの商品において値引きがされないことになります。
これは、お店を騙して不正な価格で商品を購入している行為にほかなりません。
詐欺罪として処罰されることも
先に述べたとおり、値引きシールを貼り替える行為はまさにお店を「騙す」行為です。
騙して商品を安く購入することは、物の引き渡しをさせつつ、不正に利益を得ているといえます。これは、刑法に規定されている「詐欺罪」に該当します。レジできちんと会計を済ませていたとしても、その点に変わりはありません。
詐欺罪とは刑法246条に規定されている犯罪であり、人を騙して物の引き渡しをさせたり、不法に利益を得たりした場合に適用される犯罪です。
そのため、値引きシールを別の商品に貼り替えて、正しい価格よりも安い価格で購入する行為は詐欺罪に該当するのです。詐欺罪は10年以下の懲役という重い刑罰に科される犯罪です。
「レジを通せば大丈夫…」「既に貼ってあるシールを貼り替えるだけだから…」と安易な気持ちで行って許される行為ではありません。
失敗しても処罰の対象に!
詐欺罪は未遂の段階から処罰される犯罪です。(刑法250条)
例えば、値引きシールを別の商品から貼り替えてレジで会計をしようとした際に、店員さんが「おかしい」と貼り替えに気づき、商品を購入することができなかったと仮定しましょう。
この場合、お店を騙して商品を購入という流れになっていないため詐欺は失敗に終わっています。ところが、このような場合であっても詐欺未遂として処罰されることとなるのです。
未遂に終われば処罰されることはないだろう、と甘い気持ちでいると痛い目をみることになるかもしれません。
値札の付け替えやカバーの付け替えも同様です
詐欺として処罰されるのは何も値引きシールの貼り替えだけではありません。
商品のカバーや値札を付け替える行為も同様に詐欺罪として処罰されることとなります。基本的にお店の許可なく本来より安い値段で商品を購入する行為は処罰の対象となると考えてください。
値引きシールの貼り替えは重大な犯罪行為です
値引きシールを別の商品に貼り替える行為は詐欺罪という重大な犯罪行為に該当します。
詐欺罪は未遂の段階から処罰されることとなる犯罪です。「既に貼られているシールを貼り替えるだけだから…」と軽い気持ちで行ったとしても、決して許される行為ではありません。
値引きシールの貼り替えは重大な犯罪行為だということを意識し、絶対に行わないようにしてください。
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士・2級ファイナンシャルプランナー