賃貸のゼロゼロ物件はお金がかからないって本当? 契約や入居の際に注意すべき点とは?
配信日: 2023.09.06
本記事では、ゼロゼロ物件が存在する理由やお部屋探しにおける注意点を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ゼロゼロ物件はなぜ存在する?
賃貸物件を契約するときに支払う敷金と礼金には、以下の役割があります。
敷金:家賃滞納や退去時の原状回復に備えた預け金。借主に過失がなければ原則として返金される
礼金:借主が貸主に対して支払うお礼としての一時金で返金はなし
敷金と礼金のいずれも家賃の1~2ヶ月分が目安です。家賃5万円の部屋なら、前払い家賃とは別に10万~20万円の敷金・礼金が発生します。そして賃貸物件のなかには、敷金・礼金がかからないゼロゼロ物件も存在します。
ゼロゼロ物件がある理由
例えば、賃貸物件が供給過多となっているエリアでは、競合物件との差別化を図るためにゼロゼロ物件などのキャンペーンを打ち出しています。あるいは、築年数が古い・駅から遠いなどの理由で空室期間が長期化予想されるときも、空室対策として敷金・礼金を0円にします。
また、オフシーズン(賃貸需要が減る夏季など)の集客効果をねらって、ゼロゼロ物件が登場するケースもあります。入居後一定期間の家賃が無料になるフリーレント物件も、ゼロゼロ物件と類似する集客キャンペーンの一つです。
ゼロゼロ物件を契約する際の注意点
ゼロゼロ物件であっても、初期費用がまったくかからないわけではありません。以下の費用は敷金・礼金の有無に関係なく発生します。
・前払い家賃
・不動産会社へ支払う仲介手数料(家賃の0.5~1ヶ月分+消費税)
・保証料(家賃保証会社を利用する場合)
・火災保険料
・鍵交換費用
このほか、入居にあたっての条件が設定されているゼロゼロ物件もあります。2年未満の短期間で退去したときの違約金や、入居前もしくは退去時のハウスクリーニング代が設定されていることがあるため、賃貸借契約を結ぶ際は特約事項もしっかりと確認しましょう。
敷金が0円のときの注意点
賃貸物件の退去に際し、原状回復費用やハウスクリーニングが必要になったときは敷金から支払われます。しかしゼロゼロ物件は入居時に敷金を預けていないため、経年劣化や通常使用を超える汚損があったときには、退去時に原状回復費用などを求められるでしょう。
引っ越し先の賃貸借契約にかかる初期費用とも支払いのタイミングが重なるため、経済的な負担が重くなるリスクにご注意ください。
UR賃貸住宅もおすすめ
引っ越しにかかる初期費用をなるべく抑えたいなら、仲介手数料や礼金が不要なUR賃貸住宅も検討してみてはいかがでしょうか。UR賃貸住宅は、独立行政法人都市再生機構が管理しており、家賃保証会社の保証料や契約更新時の更新料もかかりません。
ただしUR賃貸住宅は、申し込み受付は先着順のため、人気物件はすぐに埋まってしまいます。エリアによっては、募集戸数が少ないためご注意ください。
まとめ
ゼロゼロ物件は、初期費用がまったくかからないわけではない点に留意する必要があります。早期に退去する場合には、違約金などでかえって費用がかさむ恐れがあるため、賃貸借契約にあたっては特約事項もご確認ください。
フリーレント物件やUR賃貸住宅など、敷金・礼金以外の費用を抑えられる物件もあるため、お部屋探しの際はこれらの募集情報もチェックするとよいでしょう。
出典
UR賃貸住宅
FINANCIAL FIELD編集部
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