更新日: 2023.09.27 その他暮らし
自転車におけるヘルメット着用が努力義務に!利用できる補助金があれば教えてください。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
なぜ自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となったのか
まずは自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化された背景から説明していきます。警視庁によると、自転車乗用中の交通事故で亡くなった方のおよそ6割が頭部に致命傷を負っています。
図表1
●自転車乗用中死者の損傷主部位の比較(致命傷の部位)(平成30年~令和4年合計)
出典:警視庁 「頭部の保護が重要です ~自転車用ヘルメットと頭部保護帽~」
また、自転車乗用中にヘルメットを着用していなかった方の致死率は、着用していた方に比べて2.1倍も高くなっています。
図表2
●自転車乗用中のヘルメット着用状況別の致死率(平成30年~令和4年合計)
出典:警視庁 「頭部の保護が重要です ~自転車用ヘルメットと頭部保護帽~」
このような統計から自転車乗用中の交通事故による被害に対し、頭部を保護することの重要性が確認され、道路交通法の改正でヘルメット着用が努力義務となった次第です。
なお、ヘルメット着用はあくまでも努力義務であるため、違反しても罰則はありません。しかしながら、自身を守るためにも自転車に乗るときはヘルメットを着用すべきです。
自転車用ヘルメットの購入に利用できる費用の助成や補助制度
自転車乗用中のヘルメット着用が努力義務となったことを受け、全国の多くの自治体が在住者を対象に、安全基準を満たす自転車用ヘルメット(SGマークやJCFマーク、CEマークなどの規格マークが付されたもの)の購入に当たり、一部費用の助成や補助金の交付を実施しています。
具体的な対象者や購入方法、補助金の申請の流れ、申請期間などは自治体によって異なるため、詳細についてはお住まいの自治体のホームページなどで事前の確認が必要です。
また、予算の上限に達した場合などは期間内でも助成や補助金申請の受け付けを終了することがあるので、ヘルメットを購入する予定がある方は早めに対応するようにしてください。
ここでは参考までに、東京都江東区と兵庫県姫路市の例を紹介します。
東京都江東区の例
東京都江東区では令和6年3月31日まで、対象の協力店で自転車用ヘルメットを購入した場合、1個当たり最大2000円が値引きとなる助成事業を行っています。
基本的には購入時に運転免許証やマイナンバーカードなど身分証明書を持参し、協力店に配置されている申込書に記入することで助成を受けられます。
ただし、一部の店舗ではWEBサイトなどでの事前予約が必要なこともあるため、対象店舗も含め、あらかじめ自治体のホームページで確認しておきましょう。
兵庫県姫路市の例
兵庫県姫路市では、令和5年4月1日以降に対象のヘルメットを新品で購入した場合、申請により購入代金の2分の1(上限2000円)の補助金を受けられます。
ただし、補助金の申請ができるのは1人につき1回で、対象となるのはヘルメットの購入日および補助の申請日に満16歳から18歳の方、または満65歳以上の方となっています。
申請期間は令和6年2月29日までで、購入日や購入金額を証明できる領収書、ヘルメットの安全基準を証明する書類などのほか、自治体のホームページや担当部署で入手できる申請書を市役所などの窓口に持参、または郵送で提出します。
まとめ
自転車乗用中のヘルメット着用が令和5年度より努力義務になりました。それに伴い、多くの自治体はヘルメットの購入費用の助成事業を行っています。
努力義務であり、罰則がないとはいえ、自転車乗用時の交通事故による被害を軽減するためにもヘルメットの着用は重要です。ヘルメットの購入に当たって利用できる補助金などについて、お住まいの自治体のホームページでぜひチェックしてみてください。
出典
警視庁 頭部の保護が重要です ~自転車用ヘルメットと頭部保護帽~
江東区 自転車用ヘルメット購入費用助成
姫路市 自転車用ヘルメット購入助成事業
執筆者:柘植輝
行政書士