「大型スーツケース」を新幹線に持ち込んだら「荷物代」を取られた! いつからこうなったの? 新幹線の持ち込みルールを解説
配信日: 2023.10.07
実は2020年から、新幹線に大型のスーツケースを持ち込む場合、事前に予約をしておかないと荷物代がかかるようになったことをご存じでしたか? 本記事では、新幹線における荷物の持ち込みルールと、無料で大型荷物を持ち込む方法について解説します。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
新幹線の手荷物持ち込みルール
東海道・山陽・九州・西九州新幹線では、「特大荷物」を持ち込む場合には、「特大荷物コーナーつき座席」または「特大荷物スペースつき座席」 の事前予約が必要です。この「特大荷物」とは、3辺の合計が、160センチメートル超250センチメートル以内の荷物のことを指します。
特大荷物は座席に付属する定められたスペースに置く必要があり、自由席や指定席に特大荷物を持ち込むことはできないので注意が必要です。事前に「特大荷物コーナーつき座席」か「特大荷物スペースつき座席」を予約しておけば、無料で荷物を持ち込むことができますが、事前予約せず特大荷物を持ち込んだ場合、持込手数料として税込1000円を支払う必要があります。
ただし、例外として、ベビーカーやスポーツ用品・楽器などはその大きさに関わらず特大荷物のルールは適用されません。しかし、これらの荷物を特大荷物スペースに置きたい場合は、スペースつきの座席を事前予約するようにしましょう。
なぜ予約が必要なのか
長距離旅行者が利用することの多い特大スーツケースですが、その大きさのため荷物棚に上げることが難しいという側面があります。そうすると、通路や出入口をふさぐように置くしかなく、他の乗客の乗り降りの妨げとなっていました。
事前予約をすることで、座席近くのスペースに特大荷物を置け、乗客はスムーズに乗り降りできるようになります。また、特大荷物を持つ乗客も、荷物を置く場所を事前に確保でき、安心して新幹線に乗れるというメリットがあります。
一方、事前予約をしていないと、乗務員が特大荷物を置けるスペースに案内するという対応が必要となります。この対応に対する手数料として、予約のない特大荷物には「持込手数料」が必要となります。
特大荷物を置ける座席は2種類ある
特大荷物を置くスペースには「特大荷物コーナーつき座席」と「特大荷物スペースつき座席」があります。それぞれ見ていきましょう。
「特大荷物コーナーつき座席」とは
「特大荷物コーナー」には、上段と下段があり、上段は3辺の長さが80センチメートル以内×60センチメートル以内×50センチメートル以内まで、下段であれば80センチメートル以内×60センチメートル以内×40センチメートル以内の荷物を置くことができます。
このスペースは座席によって利用できる段が異なりますので、上段スペースを利用したい場合は「特大荷物コーナーつき座席」の通路側座席を、下段スペースを利用したい場合は「特大荷物コーナーつき座席」の窓側座席を予約しましょう。
「特大荷物スペースつき座席」とは
「特大荷物スペース」は、一部指定席の最後方部の座席後ろのスペースを指し、荷物置き場として利用することができます。つまり普通車の場合、最後方座席のそれぞれ5席、グリーン車の場合、最後方座席のそれぞれ4席が「特大荷物スペースつき座席」です。
これらのスペースは区画が区切られているわけではないので、予約客同士で譲り合って利用することが求められます。また、予約客の専用スペースなので、万が一予約していない乗客に使用されていた場合は、車掌さんに伝えてスペースをあけてもらいましょう。
特大荷物を持ち込む際には予約を忘れずに
2020年から設けられた特大荷物置きスペースですが、コロナ禍の運用開始ということもあり、知らなかったという方も少なくないでしょう。事前に予約しておくことで座席に付属した荷物スペースが確保され、追加料金がかかることもありません。
ただし、予約なしで特大荷物を持ち込むと手数料が必要となるので注意しましょう。楽しいはずの旅行が予期しない「荷物代」という出費によって出鼻をくじかれてしまうことのないよう、事前準備をしっかりとしておくことをおすすめします。
出典
JR東海 東海道・山陽・九州・西九州新幹線への特大荷物のお持ち込みについて
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級