更新日: 2023.10.06 その他暮らし

友人がパパ活で「月90万円」稼いでいるようです……私も始めたいのですが、パパ活にはどんなリスクがありますか?

執筆者 : 柘植輝

友人がパパ活で「月90万円」稼いでいるようです……私も始めたいのですが、パパ活にはどんなリスクがありますか?
「パパ活」という言葉がニュースなどで取り上げられることが増えました。「友人がパパ活で月に90万円も稼いでいる」といった話を身近で聞くと、金銭的な魅力に引かれて自分も始めてみたいと思う人もいるかもしれません。
 
しかし、パパ活には危険が伴います。今回はパパ活の危険性やリスクについて解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

パパ活は犯罪となることもある

パパ活では女性側が罪に問われることはないと思われがちですが、実際はそうとも限りません。パパ活として行っている内容次第では犯罪行為として扱われ、女性が処罰の対象となることがあります。
 
確かに、男性から謝礼として現金や物を受け取って食事やデートをするなど、一般的にパパ活と呼ばれる行為自体を直接的に罰する法律はなく、犯罪として懲役や罰金といった刑事罰を受けるようなことは基本的にありません。
 
しかし、パパ活の流れの中で自身の経済的な状況などについてうそをつき、相手に金品を交付させると、それは詐欺罪に当たり、刑事罰を受ける可能性があります。
 
実際に2021年9月には、パパ活相手に「奨学金の返済にお金が必要」とうその話を持ちかけて、計1600万円をだまし取ったとして当時27歳の女性が詐欺容疑で逮捕されたという事例もあります。
 
パパ活の一環で相手から自主的にお金や物を交付させた場合であっても、うその話を信じての行為であれば詐欺罪となります。
 
また、詐欺に当たらないケースでも相手から恨みを買ってしまい、暴行や脅迫など何らかの犯罪の被害者になる恐れもあるので、パパ活は大変危険な行為です。
 

パパ活では逮捕されないというネットの情報は間違いうそ

ネットやSNSの投稿には、パパ活で逮捕されることはないとうたっている情報もありますが、それは大きな間違いです。
 
2023年8月には自ら作成したパパ活のマニュアルを「これは詐欺ではないので警察には捕まらない」などとふれ込み、販売していた女性が詐欺ほう助罪で逮捕されています。
 
詐欺を手助けする詐欺ほう助罪で逮捕されたということは、販売したマニュアルに記載されていることを実行した場合、詐欺に該当する可能性が高いということです。
 
パパ活は安全で、うまくやれば逮捕されることはないというネット上の情報をうのみにしてしまうと、後々取り返しのつかない状況にもなりかねません。
 

社会的な不利益を被る可能性もある

パパ活は意図せずに犯罪の加害者や被害者となる危険だけではなく、社会的な不利益を被る恐れもあります。
 
2023年9月には、東京都福祉局の女性職員がパパ活によって約22万円を受け取り、無許可の営利活動に該当することを理由に減給10分の1(1ヶ月)の懲戒処分となっています。
 
学生の場合は、学校から退学などの処分を下されることや、就職活動中にパパ活の発覚を原因として採用が見送られる可能性もあるでしょう。
 
パパ活はバレないと言われることもありますが、SNSや事情を知っている友人や知人から話が広まったり、パパ活の相手が他人に話したりするなど、思わぬところから発覚することも考えられます。
 
犯罪にはならなくても、社会的な不利益や制裁を受けることもあります。
 

パパ活はリスクが大きく、行うべきではない

パパ活で大金を稼いでいる友人が周囲にいると、それをうらやましく感じることもあるかもしれません。しかし、パパ活はさまざまなリスクを伴います。
 
場合によっては詐欺罪などで逮捕されるほか、学生は退学や就職の内定の取り消し、社会人は勤務先で懲戒処分を受け、それを公表されるなど、人生に大きな影響を及ぼす可能性もあります。どんなにうらやましく見え、また友人などから勧められたとしても、自身の今や将来を守るためにパパ活は行うべきではないでしょう。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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