更新日: 2023.10.08 その他暮らし

救急車を呼んだら、高額の料金を請求されました。明細に書かれていた「選定療養費」ってなんですか?

救急車を呼んだら、高額の料金を請求されました。明細に書かれていた「選定療養費」ってなんですか?
救急車で時間外受診した場合、高額の料金を請求されるケースがあります。時間外の外来は、主に重篤な患者を救うために運営されています。そのため、「重篤でない」と判断された場合には高額の料金を請求されることがあるのです。本記事では、選定療養費について詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

選定療養費とは?

選定療養費は、2016年の健康保険法改正によって新たに設けられた制度です。選定療養費が設けられた背景には、大規模医療機関への外来患者の集中があります。外来患者は、専門性の高い大規模な医療機関に集まりがちです。患者の心理としては当然かもしれません。
 
ただ、その結果として生じているのが、当該医療機関で外来診療に従事する勤務医の負担増大や、患者の待ち時間が長くなるといった問題です。そこで、こういった課題の解消のために設けられたのが選定療養費です。
 
選定療養費が設けられたことで、一定規模以上の対象医療機関で受診するためには、医師による紹介状が必要になっています。その結果、患者にはまず地域の医療機関を受診して紹介状を受け取った後で、専門的な医療が行える医療機関を訪れることが義務付けられました。
 
また、緊急外来の主な役割は、重症患者や緊急処置が必要な患者の救命処置です。そのため、緊急外来を備える医療機関にも、選定療養費が設けられています。いずれの場合も、規定を無視して対象医療機関で受診した場合、通常の医療費とともに特別料金(医療機関ごとに異なる)が請求されます。
 

選定療養費の種類

選定療養費には、初診時選定療養費、再診時選定療養費、時間外選定療養費があります。
 
・初診時選定療養費
初診時選定療養費は、病床が200床以上の地域医療支援病院に医師の紹介状を持たずに初受診した場合に、通常の医療費とともに請求される特別料金です。初診時選定療養費の特別料金は、法律によって7000円以上と規定されています。
 
・再診時選定療養費
病床が200床以上の地域医療支援病院で専門的かつ急性期の治療が終了した患者は、同病院から紹介された他の医療機関に転院する必要があります。
 
その後、再度同じ地域医療支援病院を受診する際には、紹介先の医療機関の紹介状が必要です。紹介状を持たずに受診すると、通常の医療費とともに特別料金が請求されます。再診時選定療養費の特別料金は、法律によって3000円以上と規定されています。
 
・時間外選定療養費
時間外選定療養費は、入院が必要でない比較的症状の軽い患者が時間外受診した場合に、通常の医療費とともに請求される特別料金です。なお、時間外選定療養費の特別料金には下限はありません。
 

救急車を呼ぶべきか迷った場合は「♯7119」に電話をしよう

軽微な症状にもかかわらず救急車で緊急外来を受診した場合、時間外選定療養費が通常の医療費に上乗せされる可能性があります。このような事態を避けるためにも、救急車を呼ぶべきか迷った際には、総務省消防庁が運営する「♯7119」に電話をして判断を仰ぎましょう。
 

出典

日本赤十字社医療センター 選定療養費について
総務省消防庁 救急車の適時・適切な利用(適正利用)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集