【知らないと嫌われる!?】田舎暮らしだと無料で「お米」や「野菜」がもらえるって本当? 地方在住の筆者が暗黙のルールについても解説

配信日: 2023.10.21

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【知らないと嫌われる!?】田舎暮らしだと無料で「お米」や「野菜」がもらえるって本当? 地方在住の筆者が暗黙のルールについても解説
田舎暮らしだと無料でお米や野菜がもらえるといううわさを聞いたことがある人もいるでしょう。筆者は島根県に約20年間住んでいて、島根県内で何度か引越しもしていますが、その経験からいえばこのうわさは本当です。しかし、そこには田舎ならではの暗黙のルールが存在します。
 
本記事では、島根県在住の筆者が無料で野菜などをもらった際の注意点について解説します。もちろん地域や人によってこの通りではない場合もありますが、一例として参考にしてください。

地方は農地面積が広く農業が盛ん

農林水産省の「令和3年度(概算値)の都道府県別食料自給率」によると、令和3年度時点の生産額ベースで食料自給率が全国平均を超えている都道府県は北海道、東北地方、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、山梨県、長野県、和歌山県、鳥取県、島根県、四国地方、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県となっています。
 
一方、食料自給率が全国平均を大きく下回るのは、東京、大阪、神奈川などの大都市を有する都府県です。
 
農地面積が広い地方では、都市に比べると農業従事者も多く、農業が盛んであることが分かります。
 

無償で野菜などをもらった場合はお返しするのが常識

野菜や果物を作っているのは専業農家だけではありません。総務省統計局の平成30年住宅・土地統計調査を見ると、一戸建ての割合は都市や地方中枢都市などがある都道府県などでは全国平均以下、その他の地方は全国平均以上です。
 
一軒家の場合はアパート・マンションなどの集合住宅に比べると、庭や駐車場の一角などで家庭菜園がしやすい特徴があります。田舎の方が広い土地を活用して、専業・兼業問わず、本格的な畑や家庭菜園で野菜や果物を栽培している人が多いのが現状です。
 
筆者が幼少期に遊びに行っていたご近所の家は、5軒中4軒が家の裏庭で野菜や果物を育てており、遊びに行くと野菜や果物をもらっていました。次に遊びに行くときには、親がお礼にとお菓子を持たせてくれました。何度か引っ越した先でも同じような習慣があり、無料で何かをもらったらお返しをするのが基本でした。
 
ご近所以外でも、両親の職場の同僚から定期的にお米をもらうことがあり、母とお返しのお菓子を選びにいっていました。また、筆者が自宅の庭で育てたバジルを友人の家に持って行くと、次回訪問した際に友人の家族からお礼の言葉とともにお菓子を渡されました。
 
このように、ギブアンドテイクの関係が成り立っていたからこそ、何度もお米や野菜などをもらえていたのです。
 

必ずお返しをしなければいけないわけではない

無償で野菜や果物をもらったらお礼にお菓子などを持って行くというのが常識だと思っていたある日、親が「あそことはやり取りが続くと困るからお礼のお菓子を持って行かなくていいよ」と言われました。その家からはそれ以降は野菜や果物などをもらうことがなくなりました。
 
見返りを求めるのは嫌らしいという人もいると思いますが、「お礼があればあげるけど、何もなければ次からはあげない」というだけです。無償であげ続ける人もいるので一概には言えませんが、筆者の住んでいる地域では、ギブアンドテイクが基本です。
 

田舎に限らず見返りを求めるのは当然のこと

ニュースサイトSirabeeのSirabeリサーチが、全国10~60代の男女1000名を対象に「人への接し方」に関する意識調査を行ったところ、全体の62.4%が「人に優しく接したときに見返りを期待した経験がある」と回答しました。
 
つまり、ものをあげたり何かをしてあげたりしたことに対して見返りを求めるのは当然であり、田舎ならではのことではありません。全国共通で、人と人との付き合いをしていく中では「ギブアンドテイク」が存在しているといえます。
 
しかし、あげる側は、見返りを求めず期待しすぎないことが大事でしょう。「私はこんなにしてあげたのに何もしてくれないなんて……」というモヤモヤを軽くすることができます。
 

自分から積極的にもらいにいくものではない

「田舎では無料でお米や野菜がもらえる」といううわさが広まっているからか、「農作業をしていると都会から来た人に話しかけられて、農作物をあげるまで帰ってくれない」という悩みを知り合いの農家から聞いたことがあります。X(旧Twitter)でも同じようなつぶやきを目にします。
 
たしかに野菜などはたくさん収穫できると、近所の住民や親戚などに配る人も多いですが、上述の通りそこには少なからず「ギブアンドテイク」が存在しています。あげる側は、何か理由があってくれる場合がほとんどです。
 
例えば、経営している飲食店によく来てくれるお客さんに、感謝の気持ちを込めてあげるなどです。この場合は「またうちに食べに来てよ」という思いが含まれているので、飲食店で食事をしたあとに、野菜をもらうのがいいでしょう。
 

まとめ

田舎暮らしだと無料でお米や野菜がもらえるといううわさは、筆者の実体験では本当と言えます。しかし、理由なくあげるという人は少なく、日頃の感謝の気持ちや何かのお礼としてあげる人がほとんどです。そしてもらった側はお返しをするというギブアンドテイクが一般的です。
 
しかし、必ずお返しをしなければならないという決まりはありません。お返しをしないと嫌われるかも……と深く考えすぎず、無理がない程度に心地よい人間関係を築いていきましょう。
 

出典

農林水産省 令和3年度(概算値)の都道府県別食料自給率

株式会社NEWSY ニュースサイトSirabee 無償の愛などは… 約6割が「人に優しくしたとき」に求めてしまうこと

総務省統計局 平成30年住宅・土地統計調査

 
執筆者:桜下あかり
FP2級

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