SNSで「現金5万円が当選」というメッセージが! これって詐欺? なんのために送られるの?
配信日: 2023.10.29
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
なぜお金をもらえるのかを考える
金欠のときに限って気になる「お金がもらえる」といった内容のSNS投稿。本当にお金がもらえるのか疑問を抱くと同時に、なぜお金を配っている(もらえる)のかということも考えておく必要があります。ここでは考えられる2つのパターンを詳しく見ていきます。
犯罪に関わるお金の可能性が大
近年増えてきた特殊詐欺による被害。1人暮らしの高齢者などを狙った「オレオレ詐欺」などがイメージしやすいですが、こうしたSNSアカウントが配っているものはこの類いのお金の可能性があります。
不特定多数の人の口座にお金を配ることで、特殊詐欺の共犯者に仕立て上げることを目的としているかもしれません。ほかにもお金を配ることで得られる個人情報を第三者に譲渡して、お金もうけをたくらんでいる可能性も十分に考えられます。
個人の利益や目的のために行っている場合もある
ZOZOの創業者である前澤友作氏のように、SNSの企画としてお金を配っている可能性もあります。このようなケースの場合、犯罪等に利用されることは少ないと考えてもいいですが、まずは疑ってかかることが大切です。大企業の経営者や著名人など、社会的地位の高い人の企画であれば信じても大丈夫かもしれませんが、よく確かめたうえで自己責任で行ってください。
お金を受け取る際に必要な条件がある場合も
SNSでお金配りをしているアカウントから当選連絡があった際、お金をもらうための条件を突きつけられるケースがあります。どのような条件なのか、一例を紹介します。
SNS上でシェアする
「本当にお金が当たった」などとSNSでシェアしてほしいと頼まれるケースです。いわゆるねずみ講のようなシステムで1人が4人に、4人が16人に、といったように拡散を促します。このケースは情報集めを目的としている可能性が非常に高いです。
サイトの無料会員登録を促される
お金をもらう条件として、指定のサイトに会員登録をさせられることもあります。これには「アフィリエイト」目的の勧誘のほか、会員登録時にクレジットカード情報を入力させて「カード情報を盗み出す」ことを目的としている可能性があります。URLのドメインなどを検索し、安全かどうか確かめるなどの対策を取りましょう。
銀行口座を教える
「お金を振り込むから銀行口座を教えてほしい」という条件の場合は、前段で説明した「特殊詐欺」で使う口座情報を入手するためにお金配りを行っている可能性があります。
最初は5万円程度が振り込まれ、その後は多額の現金が振り込まれたり送金を依頼されたりするなど、知らず知らずのうちに犯罪に巻き込まれてしまう可能性も十分にあり得ます。
「お金が当選した」などというメッセージがもし届いたら
このような投稿を見かけ、興味本位で応募して当たってしまった場合、お金を受け取らずにいたら催促のメッセージが届くことがあります。このようなメッセージはとにかく無視することが大切です。
そのアカウントをブロックしても、似たようなアカウントから何度も何度もフォローされメッセージがくることもありますが、相手にせずに無視していたら自然と連絡がなくなるようです。怪しいと思ったらとにかく無視し、このようなお金配りのSNS投稿は「まずは疑う」ということを覚えておきましょう。
執筆者:宇野源一
AFP