更新日: 2023.11.02 その他暮らし
毎年実家から「大量の柿」が送られてきます。食べきれないので自宅前で売ろうと思うのですが、届け出などは必要ですか? 無人販売で大丈夫でしょうか?
そこで今回は、自宅で野菜や果物を売る場合の許可や確定申告について、詳しく解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
届け出や許可って必要なの? 自宅で野菜や果物を売ってみたい場合
結論からいうと、自宅で野菜や果物を売る場合、基本的に許可を取得する必要はありません。ただ、有機野菜として、農薬を使わずに育てた野菜を売る場合には、適切な認証機関の許可が必要です。または、JASが認可している方法での生産が求められる場合もあります。
注意が必要なのは、ジュースやジャムなどに野菜を加工して売る場合です。その場合は、保健所からの営業許可が必要となります。無許可での加工品の販売は、法律違反となるので十分に注意しましょう。
ちなみに、JASとは「日本農林規格」のことです。農・林・水・畜産物やその加工品の品質保証の規格であり、有機野菜や加工食品の販売には、JASマークの添付が定められています。
課税される? 自宅販売で確定申告が必要になる場合とは
確定申告が必要になるのは、1年の収入の合計が「所得控除の合計」を超え、その超えた金額に対する税が年末調整での特定控除の合計額を上回る場合です。自宅販売での年間収入に基づいて計算した結果がこの条件に当てはまらなければ、確定申告は必要ありません。
また、会社員として働きながら自宅で販売している場合は、その収入が必要経費を引いた後で20万円を超えるなら確定申告が必要です。年末調整を会社で受けている場合でも確定申告は必要となるので注意しましょう。これは、自宅販売の売上は、会社の年末調整には含まれていないのが理由です。
どんなやり方があるの? 自宅で野菜や果物を売る方法とは
自宅で野菜や果物を販売するには、「無人販売」や「直売所」、それに「ネット販売」などがおもな方法です。ここでは、それぞれの方法のメリットやデメリットを紹介します。
・無人販売のメリット・デメリット
無人販売とは、人を介さずに販売することです。自分の土地で販売するのであれば、加工食品以外は特別な許可は求められません。販売開始時に商品を配置し、品切れになったら追加するだけです。このように、手軽に収益を上げられることが大きなメリットでしょう。
ただし、人の目がないために窃盗のリスクも考えられます。さらに、天候や場所によっては、売上に変動が見られることもあるでしょう。このような不確実性が、無人販売のデメリットです。
・直売所のメリット・デメリット
農産物の直売所には、個人の農地での販売、農協や道の駅での販売がありますが、農協や道の駅などの場合は、会員になる必要があり、登録料・事務手数料や年会費がかかります。そのため、今回のように実家からの果物を一時的に販売するのであれば、市場や既存の販売所に頼らず、個人が自宅の敷地などに簡単なスタンドや店舗を設けて販売する方法が良いでしょう。
自宅での販売であれば、特別な許可や手続きは要りません。直売所のメリットは、売上の全額が収益となることです。ただし、お客を呼び込む方法に工夫が必要となる点は、デメリットといえるかもしれません。
・ネット販売のメリット・デメリット
ネット販売を活用すれば、時間や場所に束縛されず、24時間、全国に商品を提供することが可能です。このように、販路の拡大を目指せるのが、最も大きなメリットでしょう。ネット販売の場合も、自分で育てた野菜や果物を提供する限り、特別な許可は不要です。
ただし、ネット販売においては、特定商取引法の遵守が求められることに注意しましょう。また、ジャムやジュースなどに加工した品を販売したい場合には、営業許可や食品衛生責任者資格が必要です。
このように、自宅で野菜や果物を販売する場合には、それぞれの方法のメリット・デメリットを把握しておくことが大切です。
ネットを利用して販売してみよう
今回は、野菜や果物を自宅で販売するいくつかの方法と、それぞれのメリットやデメリットを紹介しました。
自宅で販売する場合、特別な許可や手続きを必要としないのは、大きなメリットです。その中でも、時間や場所に制限されず、そのうえ販路の拡大も期待できるネット販売は注目に値します。
せっかく家庭菜園で大切に育てた野菜や果物を売るのなら、少しでも多くの人に提供できるネット販売を利用するのもよい方法でしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー