平均価格「1億円」突破! 東京23区の新築マンション高騰の理由とは? 価格ランキングとあわせて背景を解説
配信日: 2023.11.04
本記事では東京都の昨今のマンション事情について解説します。
執筆者:タリトネ(たりとね)
FP2級(AFP)
東京23区の新築マンション価格が1億円を突破!
マンションの市場調査を担う不動産経済研究所によると、2023年1月から6月の東京23区新築マンションの平均価格が、初めて大台となる1億円を突破しました。
平均価格は1億2962万円で、1年前と比較すると60.2%上昇しています。東京都内のマンション価格が高騰したのは、一体どのような理由があるのでしょうか。
新築マンション価格が高騰した背景とは?
新築マンションの価格が高騰している主な理由として、建築資材価格と人件費の高騰が挙げられます。
特に建設業界の技能者の減少など、人手不足による人件費の高騰は深刻な状態です。就業志願者が不足しているだけでなく、就業者が現場で戦力になるまでの育成コストもかかるため、人件費の上昇傾向は長期化すると見込まれています。
また、円安傾向が続いていることによって海外投資家の日本の物件購入が増加していることも、国内新築マンションの平均価格の高騰につながっています。
このほか、新しい生活様式「テレワーク」の普及による住み替えニーズの高まりや、富裕層向けの高額物件の売り出し増加なども、新築マンションの平均価格高騰の主な理由として考えられています。
東京23区内の新築マンション平均価格ランキング
ここからは、不動産・住宅情報サイトを運営する株式会社LIFULL(ライフル)が行った「東京23区の新築マンション平均価格」の調査結果を見てみましょう。区単位の平均価格のランキング結果は図表1のとおりです。
図表1
株式会社LIFULL LIFULL HOME’Sが東京23区の新築マンション平均価格を区単位で調査
ランキングを見るとトップ3は港区と千代田区、そして新宿区。平均価格3億6038万円で1位に輝いた港区は、高級住宅地である麻布エリアや南青山を擁し、高級感のあるエリアとして知られています。
2位の千代田区は皇居や国会議事堂、官庁などの首都機能が集中しており、都心ながら落ち着いた住みやすい環境が人気を集めています。また、3位の新宿区は歌舞伎町などの繁華街がある一方で、西新宿エリアの再開発もあって高級タワーマンションが増えているのが特徴です。
4位の目黒区や5位の中央区なども含め、上位エリアは23区の中でもビジネス・住居・娯楽のすべてにおいて便利な立地であり、いずれも生活していくのに事欠かないところです。
なお、平均価格では港区がもっとも高いものの、平方メートル単価を見ると千代田区が267万円/平方メートルでもっとも高くなっています。さらに、前年からの伸び率でいうと、再開発の進む新宿区が港区や千代田区よりも躍進しており、高騰している区ごとに特色があることも分かります。
東京23区の新築マンション価格はどこまで上がり続けるのか
東京23区の新築マンション価格の上昇は、建築資材や人件費の高騰によりまだまだ収まりそうにありません。マンション価格高騰を抑えるためには建設業界の抱えるコストの問題を、官民一体となって少しでも解消する必要があるでしょう。
出典
株式会社不動産経済研究所 首都圏 新築分譲マンション市場動向 2023年上半期(1~6月)
株式会社LIFULL LIFULL HOME’Sが東京23区の新築マンション平均価格を区単位で調査
執筆者:タリトネ
FP2級(AFP)