更新日: 2023.12.07 その他暮らし
いつか「メルセデス・ベンツのCクラス」に乗ってみたいけど、維持費が心配…そもそもなぜ「外車は高い」と言いわれているの? 理由を解説
しかし、日本で売られている多くの外車は価格が高く、買えないと感じることが多いのも事実です。本記事では、なぜ外車がこれほどまでに高いといわれているのか、理由とともに解説します。
執筆者:山本峻(やまもと しゅん)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
実は日本車と外車でかかる税金は一緒
外車が高いのは「自国の自動車メーカーを守るために関税が高くかけられているからでは?」と思う人も多いでしょう。しかし日本では、1978年に自動車および部品等の関税が撤廃されています。
加えて日本で車を保有していると、自動車税や自動車重量税といった税金の支払い義務が生じますが、これらの税金の基準は総排気量や低燃費で環境に優しいエコカーかどうかという点なので、日本車と外車とで違いはありません。
外車が高いといわれる理由
では、なぜ外車は高いといわれているのか、その理由として具体的には次のようなことが挙げられます。
日本に輸入される車はグレードの高い車が多い
「外車」と一言でいっても、「車種」「価格」「グレード」にはさまざまな種類があります。日本人が「外車」と聞いて思い浮かべるものは、「アウディ」「ポルシェ」「BMW」といったメーカーの上位車種や、「ロールスロイス」「ベントレー」といった高級自動車メーカーの車ではないでしょうか。
そもそも日本は自動車大国であり、日本のメーカーが多数の車種を販売しています。それにもかかわらず外国の車を買うということは、「日本車にはないデザインや高級感あふれる内装」を求める人が多いからといえます。必然的に日本で見かける外国車は、グレードの高い車が多くなるのです。
外国から輸入するため輸送費がかかる
外国から日本へ車を輸入する場合、基本的に船で輸送することになります。長い航路をたどって日本に車を持ってくるまでには、「人件費」「燃料代」などがかかるため、輸送コストが加算されます。
さらに日本に輸入する際、輸入業者や関連サービス会社が「輸入申告書」「貨物の運賃明細書」「船荷証券」といったさまざまな書類手続きを代行しているため、日本に車が到着する時点で多くのコストがかかっているのです。最近では燃料費が高騰したため、さらに輸送費がかさみ、車両価格が値上げされるケースも増加しています。
部品交換の費用が高い
外車は車両本体価格だけでなく、維持費も日本車より高額になる傾向があります。長年車に乗っていればパーツ交換が必要になってきますが、日本車よりも部品の数が少なかったり、外国から正規品を輸入しないといけなかったりするケースも少なくありません。
そのため車検費用も国産車に比べて高くなることから、「維持費がかさむ」という理由でわずか1~2年で手放してしまう人もいるのです。
外車を購入する際は輸送費も多く払っている
「外車=高い」といわれる理由は、日本に輸入される車はグレードが高いものである場合が多く、輸送費などのコストが上乗せされているからです。もちろん中古であれば手が届く価格帯のものもありますが、車両価格だけで判断するのは要注意です。
パーツ交換や車検で思わぬ出費がかさみ、維持費が払えずに車を手放す人も少なくありません。そのため外車を買う際は、本体価格だけでなく維持費がどれくらいかかるのか、前もって調べておくことが大切です。
出典
一般社団法人日本自動車工業会 自動車関税率・EPA/FTA
財務省関税局 自動車の輸入通関手続
執筆者:山本峻
2級ファイナンシャル・プランニング技能士