私立中学に進学したら中学3年間でいくらかかる?
配信日: 2023.12.08
そこで本記事では、文部科学省が行った調査の結果をもとに、私立中学校在学中の3年間でどのくらいの費用がかかるのか、具体的な金額を紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
私立中学に通う生徒は中学生の約7.8%
文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」の結果によると、私立中学校に在学する生徒の数は、中学生317万7547人中24万7623人です。割合にすると約7.8%であり、1割に届きません。
子どもが少数派である私立中学校に進学する場合、子どもを公立中学校に通わせる大多数の家庭と比べて、多くの在学費用や学習費が必要となります。具体的にはどれくらいの費用がかかるのか、以下で見てみましょう。
私立中学校の入学時にかかる費用
文部科学省が公開している「令和4年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」によると、入学料を含む私立中学校の初年度納付金は、平均81万4559円です。内訳を、図表1にまとめました。
【図表1】
入学料 | 18万9959円 |
施設整備費等 | 18万2564円 |
授業料 | 44万2036円 |
合計 | 81万4559円 |
文部科学省「令和4年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」より筆者作成
入学料、施設設備費、授業料はいずれも公立中学校では負担しなくてよい費用です。私立中学校に進学すると、入学時点から費用負担に公立との大きな差があることが分かります。
私立中学校に通う生徒の1年間の学習費は平均約140万円
「令和3年度子供の学習費調査」によると、私立中学校に通う子ども1人当たりの1年間の学習費総額(入学金、学校納付⾦等を含む)は、平均143万6353円です。公立中学校に通う子どもの学習費総額が平均53万8799円であるのに比べると、約2.7倍の費用がかかる計算です。
私立中学校在学中に、学習費総額の平均×3年分がかかると考えると、中学3年間でかかる費用は、平均で430万円を超える金額になります。
私立中学校に通う生徒の学習費の内訳
図表2は、「令和3年度子供の学習費調査」の結果をもとに、中学校に通う子どもの学習費の内訳をまとめたものです。
【図表2】
私立中学校 | 公立中学校 | |
---|---|---|
学校教育費 | 106万1000円 | 13万2000円 |
学校給食費 | 7000円 | 3万8000円 |
学校外活動費 | 36万8000円 | 36万9000円 |
合計 | 143万6000円 | 53万9000円 |
文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」結果より筆者作成
私立中学校では学校教育費が学習費の大半を占めている点以外は、公立中学校と比べて大きく費用がかかっている項目はありません。塾や習い事などの学校外活動費は学習費総額の4分の1強にとどまっており、平均金額は私立も公立もほぼ同じです。
塾や習い事にかける費用は、学習費のなかでも家庭の裁量が効く部分です。塾に行き始めるタイミングや習い事の数を調整してムダを省くことは、私立中学校在学中の費用を上手におさえる1つの方法でしょう。
私立中学校の学費を軽減する制度はある?
自治体によっては、私立中学校の授業料を軽減する制度を実施していることがあるため、確認してみるとよいでしょう。
例えば、東京都では「私立中学校等授業料軽減助成金」の名称で、所得が基準額以下の世帯に年間10万円を支給しています。茨城県にも、所得が基準以下の世帯に最大で年33万6000円を支給する制度があります。(※いずれも令和5年度時点)
また、在学中に家計が急変した世帯への補助制度を設けている自治体や学校も多いため、必要に応じて活用しましょう。
私立中学に進学すると3年間で平均400万円以上の教育費がかかる
統計データを参考にすると、私立中学校に進学してから卒業するまでの3年間で、平均400万円以上の費用が必要となることがわかります。この数字は平均値なので、さらに多くの費用がかかるケースも想定して、資金計画を立てる必要があるでしょう。
自治体や学校によっては、授業料負担を軽減する制度を設けていることもあるため、いざというときのために利用条件などを確認しておくと安心です。
出典
文部科学省 学校基本調査-令和5年度(速報) 結果の概要-
文部科学省 令和4年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について
文部科学省 結果の概要-令和3年度子供の学習費調査
東京都私学財団 私立中学校等授業料軽減助成金事業
茨城県 県内の私立学校向けの軽減制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー