更新日: 2023.12.13 その他暮らし
手取り年収350万円だけど、「ランドクルーザー」がどうしても欲しい…!ローンを組めば何とか購入できますか?
そこで、手取り年収350万円の方がランクルを購入することの是非について考えていきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
手取り年収350万円でのランクル購入は厳しい
絶対に不可能というわけではありませんが、手取り年収350万円でのランクル購入は難しいといえるでしょう。一般的に、購入する車の価格は年収の半分程度までが目安といわれています。
トヨタ自動車のオンラインカタログによると、ランクルの価格は新車では少なくとも510万円以上(税込み)です。グレードによっては、800万円近い価格になります。そこにカーナビゲーションなどのオプションをつけていくと、購入に600万円近くかかることも珍しくはないでしょう。
その点を考えると、ランクルは少なくとも年収1000万円程度ある状態で購入する方が無難です。
また、カーローンを組もうにも、カーローンは年収の30%前後、あるいは1000万円が借り入れ上限といわれることがあります。その点を考えると、借りられる額は130万円程度になる可能性があります。130万円のローンを組んだとしても、購入には少なくとも400万円近く不足します。
以上を鑑みると、手取り年収350万円、年収換算440万円程度の状態でランクルを購入するのは、たとえローンを組んだとしても難しいものがあります。もし購入するのであれば、400万円近く購入資金を貯めてからローンを組むといいでしょう。
なお、中古車であれば上記よりも安い価格で購入することもできます。グレードによっては218万円からと、新車の半分以下の価格で購入できるようです(2023年11月7日現在)。
ランクルは維持費もかかる
ランクルは、購入後の維持費にも大きな金額がかかります。中古車情報サイト「グーネット」によれば年間の維持費は、ガソリンが25万円、自動車税が5万8000円から8万8000円、車検価格は手数料など込みで9万3000円がかかるようです(2023年11月7日現在)。
タイヤやエンジンオイルの交換など、その他の整備も鑑みると、年間の維持費は50万円を超える可能性も十分にあるでしょう。ローンを組んで毎月ギリギリの支払い設計で購入してしまうと、維持費が払えず手放すことにもなりかねません。
なお「車体価格が安いから」と価格だけを見て中古でランクルを購入すると、劣化が進んでいる車体だった場合は修理回数がかさみ、維持費が高くなる可能性もあるので注意が必要です。
ランクルはそもそも盗難が多い
ランクルの購入にあたり、考えねばならないのは「盗難が多い」という事実があることです。
一般社団法人日本損害保険協会の「第24回 自動車盗難事故実態調査結果」によると、2020年においてランクルは車両盗難数が275件、割合にして9.3%と、全車種中2位の多さです。2021年、2022年においては盗難数が全車種中1位になっており、2021年は331件で全体の13.6%、2022年の件数は450件と全体の16.9%になっています。
このように、ランクルの盗難件数は直近で増加傾向にあります。
せっかく無理をしてローンを組んで購入しても、盗まれてしまっては意味がありません。セキュリティー強化の装備を付けることも可能ですが、それでも絶対ではありません。
盗難リスクを考えると、ランクルは無理をして買うべきではない車といえるでしょう。
まとめ
年収440万円、手取り年収で350万円という状況で、ランクルを購入するのは現実的ではありません。ランクルは車体価格も考えると、年収1000万円付近での購入が妥当だと思われます。また、盗難件数の多さもふまえると、無理をして買うような車とは言い難いです。
どうしてもランクルが欲しい方は、お金をためつつ維持費などを綿密に計算し、相応な維持費や盗難リスクについて覚悟を持って購入するといいでしょう。
出典
トヨタ自動車 ランドクルーザー オンラインカタログ
一般社団法人日本損害保険協会 第24回 自動車盗難事故実態調査結果
執筆者:柘植輝
行政書士