更新日: 2023.12.20 その他暮らし

上司に「年賀状やめます」は失礼? 年賀状をやめるメリットや伝え方のポイントを解説

上司に「年賀状やめます」は失礼? 年賀状をやめるメリットや伝え方のポイントを解説
新年に向けて、友人や親戚、上司、同僚に年賀状を送ろうとしている方も多いでしょう。ただ、ここ数年はSNSの普及や環境への配慮など、さまざまな理由で「年賀状を出さない」という人もいるようです。ただ、上司に年賀状を送らないのは失礼に当たるのでは、と心配になるかもしれません。
 
本記事では年賀状をやめるメリットや、年賀状を辞退すると伝えるときのポイントをご紹介します。

加速する「年賀状離れ」

SNSなどで新年のあいさつを送り合う文化が浸透し、年賀状を送らない人が増えています。
 
日本郵便によると、2024年用の年賀はがきの当初発行枚数は約14億4000万枚です。2023年用と比べて12%、約2億枚減少しました。また、2004年用の発行枚数は約44億4780万枚でした。この20年で約3分の1にまで減少していることが分かります。
 
株式会社アイスタットが2023年11月に公表した「年賀状離れ」に関するアンケートによると、2024年の年賀状について「出す」と回答した人は51.3%、「出さない」と回答した人は48.7%でした。「出す」方がやや上回っているもののほとんど差はなく、半数が「出さない」という選択をしています。「年賀状離れ」が加速していることは明らかでしょう。
 

年賀状をやめるメリット

年賀状をやめると、主に次のようなメリットがあります。
 

コストを削減できる

年賀状をやめると、年賀状にかかっていたコストを削減できます。無地の年賀はがきは1枚当たり63円ですが、表面に宛名、裏面にイラストや写真をプリントするとさらに費用がかかります。
 
日本郵便が販売するイラストタイプの年賀はがきは、1枚当たり230~660円程度で、写真をプリントすると1枚当たり300~400円程度です。宛名印刷は基本料金1100円に加えて、枚数に応じて1枚当たり31円の費用が発生します。
 
前述のアイスタットの調査によると、2024年用の年賀状の送付予定枚数は17枚です。仮に表面に宛名、裏面に写真をプリントした年賀状を17枚用意すると、かかる費用は次のとおりです。
 

●宛名印刷:1100円+31円×17枚=1627円
●写真プリント:300円×17枚=5100円
合計:6727円

 
年賀状を出す枚数が多い方であればあるほど、年賀状をやめる金銭的なメリットは大きくなると言えるでしょう。
 

時間の節約になる

年賀状をやめることで、年賀状にかけていた時間を節約できます。
 
具体的に発生する作業は送付する人のリストアップ、年賀はがきのデザインの選定、年賀はがきの買い出し、プリントの依頼、宛名やメッセージの記入、ポストへの投函作業などです。何かと忙しい年末にこれらの手間がなくなるのは、大きなメリットですよね。
 

年賀状をやめる際の伝え方は?

年賀状を送らないと伝えるとき、以下のような伝え方が考えられるでしょう。
 

●高齢(年祝い)や終活を理由として伝える
●子どもの成長を理由として伝える
●SDGsなど環境への配慮を理由として伝える

 
いずれにしても、「面倒だから」「節約になるから」と思われないよう注意し、今後も年賀状以外の手段で交友関係を続ける意思を伝え、今後の関係を良好に保つことができるよう努めることが大切です。
 

上司には失礼にあたる可能性も?

友人や親戚、同僚には年賀状を送らない旨を伝えられたとしても、職場の上司にはなかなか伝えづらいという人も多いのではないでしょうか。
 
人それぞれではありますが、「新年には年賀状をやりとりするのが当たり前」と感じている上司もまだまだ多いかもしれません。一方的に部下から「もう年賀状を送りません」と伝えると、上司が気分を害してしまう可能性もあります。
 
2014年にトレンド総研が行った調査によると、「部下や後輩から年賀状を受け取った際に、どう思いますか? 」という質問に対して最も多かったのが「嬉しいと思う(42%)」という回答でした。次いで「印象が良くなると思う(26%)」、「かわいくみえると思う(11%)」の順となっており、部下からの年賀状に好印象を受ける上司が多いことが分かります。
 
上司からの印象や評価を考えると、年賀状を送った方がメリットが大きいと言えるでしょう。どうしても年賀状をやめたいのであれば、「ご友人と年賀状でやりとりされていますか? 」「毎年大変ではありませんか? 」といったように、上司と雑談して年賀状に対する温度感を探るのもいいかもしれません。
 

年賀状離れは慎重に

SNSの普及やペーパーレス化の流れもあり「年賀状を送らない」という選択肢も珍しくなくなっています。その一方で「年賀状を送るのは当たり前」と考えている人も一定程度いると予想されます。年賀状は上司や取引先にだけ送る、と割り切ることも年賀状のストレスを減らす一つの手段でしょう。
 

出典

日本郵便株式会社 2024(令和6)年用年賀はがきなどの発行および販売

株式会社アイスタット 年賀状離れに関するアンケート

トレンダーズ株式会社 トレンド総研 “年賀状”にみる年収と出世に関する調査レポート

 
執筆者:山田麻耶
FP2級

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