更新日: 2023.12.20 その他暮らし

家の前の街路樹が邪魔で仕方ありません。枝を切る程度なら問題ないでしょうか。罰金は発生しますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

家の前の街路樹が邪魔で仕方ありません。枝を切る程度なら問題ないでしょうか。罰金は発生しますか?
街路樹は、道路の景観や環境を美しく保つために重要です。しかし、街路樹の枝が家の窓や屋根に触れたり日光や風通しを遮ったりすると生活に不便を感じることもあるでしょう。
 
こういった場合は、街路樹の枝を勝手に切っても問題ないのでしょうか。また、枝を切ると罰金が発生する可能性はあるかも気になるところです。
 
そこで、この記事では街路樹の管理に関する法律や罰則、街路樹を切りたい場合の対処法について解説します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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街路樹の法的な位置づけ

道路法第二条では、街路樹を道路の付属物として位置づけています。道路の付属物とは、道路の利用や管理に必要なものです。街路樹(並木)のほかに、道路標識や信号機なども含まれます。
 
道路の付属物は、道路管理者となる国や市町村が所有・管理するものであり、許可なく撤去したり損傷したりすることはできません。
 

許可なく街路樹の枝を切るとどうなる?

道路管理者以外の者は、道路の付属物を損傷・移転したり、道路の維持に支障をきたす行為をしたりすることはできません。許可なく街路樹の枝を切ると、道路法第四十三条により、道路の構造や交通に支障を及ぼす恐れのある行為とみなされる可能性があります。
 
例として、滝川市は「街路樹を故意に損壊させた場合、器物損壊罪(刑法第261条:三年以下の懲役または30万円以下の罰金)及び道路付属物損壊(道路法第101条:三年以下の懲役または100万円以下の罰金)に問われることがあります。」と公式サイトに明記しています。
 
また、街路樹の枝を切ることによって街路樹の価値が減少したり街路樹が枯れたりした場合、損害賠償請求を請求される可能性もゼロとはいえません。街路樹の枝切りや管理には、専門的な技術や知識が必要になり、道路管理者は街路樹の管理に関する基準やマニュアルに基づいて点検や枝切りを行っています。
 
また、街路樹の枝切りには高所作業車やチェーンソーなどの特殊な機器や、安全対策などの準備が不可欠です。一般の人が勝手に街路樹の枝を切ることは、法律や条例に違反するだけでなく、自分自身や他人に危害を及ぼす恐れがある行為となるため、注意しましょう。
 

街路樹の枝の切りたい場合の対処法

「街路樹の枝が邪魔で仕方ない」と感じる場合は、住んでいる市区町村の道路管理者まで相談することがおすすめです。そうすることで、街路樹の状況や周辺の環境を調査し、必要に応じて枝切りや移植などの対応を検討してもらえる可能性があります。
 
ただし、街路樹の管理には予算や機材などの制約があるため、必ずしもすぐに対応してもらえないことも少なくありません。そのようなケースでは、道路管理者と協議して許可をもらい自分で枝切りや移植などの工事を行うことも可能です。
 
一般的に、工事は自己責任、費用は自己負担となる可能性があります。切り落とした枝を道路上に放置したり不法投棄したりすることもできません。
 
そのため、「切り落とした枝を自己責任で適切に処分するのか」「道路管理者や緑地管理者に引き取ってもらうのか」などについても事前に道路管理者と相談しておくことが大切です。
 

勝手に枝を切らないで! まずは道路管理者に相談しよう!

街路樹は、道路の付属物として道路管理者が管理しており、許可なく枝を切ったり移植したりすることはできません。勝手に枝を切ることは、街路樹の価値や美しさを損なうだけでなく、法的なトラブルや事故の原因になる可能性があります。
 
街路樹の枝を切りたい場合は、法律や条例に従って道路管理者に相談しましょう。敷地内に入り込んだ枝を切りたい場合でも、必ず道路管理者に連絡し、指示に従って作業を行う必要があります。
 

出典

e-Gov法令検索 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)
滝川市 街路樹が伐採される被害(器物損壊)について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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