更新日: 2024.01.05 その他暮らし
現在無職で「生活保護」を受給しているらしい30代男性の隣人。彼は将来「年金」を受け取れるのでしょうか?
生活保護を受給すると、税金や国民健康保険料の支払いが免除されるようですが、年金保険料も支払わなくてよくなるのでしょうか。その場合、生活保護を受給している人を見て「将来的に年金を受け取ることができなくなるのではないか」と心配する人も多いと思います。
本記事では、生活保護を受給できる条件とともに、年金保険料の支払い免除についてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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生活保護を受給できる条件とは?
厚生労働省によると、生活保護は、以下の要件を満たしてもなお、収入が最低生活費を下回る場合に利用できる制度です。
●預貯金や不動産・土地など、利用しうる資産を活用する
●働くことが可能な場合は、能力に応じて働く
●ほかの制度を利用して給付を受けられる場合は、それらの制度を活用する
●援助を受けられる親族がいる場合は、援助を受ける
年齢にかかわらず、健康上の問題で働くことが困難な人や、働く能力があっても親の介護で働きに出られない人なども、対象になる可能性があります。
生活保護受給者は年金保険料の支払いが免除される?
生活保護の「生活扶助」を受けている人は、国民年金保険料の支払いが免除されます。生活扶助は、生活保護の対象になると受けられる「日常生活に必要な費用の援助」のことで、保険料のほかにも、食費・被服費・光熱費などが当てはまります。
役所の国民年金担当窓口に「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を提出することで、生活保護を受け始めた月の前の月の保険料から免除される仕組みです。
保険料の免除制度には、所得などの審査がある「申請免除」と、特定の要件を満たせば全額免除となる「法定免除」がありますが、生活保護受給者は「法定免除」の対象となるため、全額免除されます。
もし、生活保護を受給しながら年金保険料を支払っていた場合は、これまで納めた保険料を返してもらえます。
年金は受け取れるが、金額が減る
生活保護を受給して、年金保険料の支払いが免除された場合であっても、将来年金がもらえなくなるわけではありません。ただし、満額もらえるわけではなく、受け取り額は減ることになります。
日本年金機構によると、年金保険料の支払いを免除されている期間については、老齢基礎年金の額が「平成21年3月以前の期間は1ヶ月を3分の1」「平成21年4月以降の期間は1ヶ月を2分の1」として計算されることになるため、確認しておきましょう。
年金の受け取り額が減ることで、収入が最低生活費に満たなかった場合は、再び生活保護の対象になる可能性があるため、受給を検討するとよいでしょう。もし年金を満額受け取りたい場合は、追納すれば、それは可能です。
生活保護受給者も将来年金を受け取れる
生活保護を受給している場合は、手続きをとれば、年金保険料の支払いが全額免除されます。30歳無職で生活保護を受けている隣人がいて「将来年金を受け取れるのか?」と、疑問に思われているかもしれませんが、保険料の支払いが免除されている期間があっても、将来年金を受け取れなくなるわけではありません。
ただし、受け取れる額は減るため、満額受け取りたい場合は、追納が可能かどうか考えてみるとよいでしょう。
出典
厚生労働省 生活保護制度
日本年金機構 国民年金保険料の法定免除制度
小平市 国民年金保険料 法定免除制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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