更新日: 2024.01.17 その他暮らし
築10年で一気に「ガタ」が…およそ10年ごとにかかる「戸建て」のメンテナンスとその費用とは?
一戸建て住宅は、定期的なメンテナンスをすることで、長く快適に過ごすことができます。しかし、気になる点はその費用と、どこをメンテナンスすればよいかということでしょう。
本記事では、およそ10年ごとに必要といわれているメンテナンスが必要な箇所と、その費用について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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メンテナンスが必要な箇所と費用の目安
一戸建ては、外装で使われている塗料や、設備の耐用年数がおよそ10~20年といわれているため、10年ごとにメンテナンスをするとよいとされています。
住宅産業協議会が提供している「住まいのメンテナンススケジュール」「設備商品のメンテナンススケジュール」によると、築10年で推奨されている主なメンテナンス項目と費用目安は、表1の通りです。
表1
台所のガス・IH | レンジフード、ガス・IHコンロなどの機器本体の点検・交換 | 20万~120万円 |
トイレ | 便器・タンクの点検・部品交換 | 1万~15万円 |
(全面)床暖房 | 機器の点検・交換 | 5万円~ |
外壁 | 表面塗装 タイル洗浄/目地打ち替え |
15万~80万円 5万~200万円 ※足場代が別途25万〜40万円ほどかかる場合があります。 |
屋根 | 表面塗装 増し張り シーリングの打ち替えなど |
30万~80万円 130万~150万円 5万~20万円 ※足場代が別途25万〜40万円ほどかかる場合があります。 |
給湯器 | 本体の点検・交換 | 30万~70万円 |
※建物や設備により仕様が異なりますので、不明な点は各メーカーまでお問い合わせください。
※住宅産業協議会「住まいのメンテナンススケジュール」「設備商品のメンテナンススケジュール」を基に筆者作成
不動産情報サービスのアットホーム株式会社が、新築一戸建てを購入して30年以上住んでいる、全国の50歳以上の方を対象に行った一戸建て修繕の実態に関する調査によると、1回目修繕時の築年数平均は、およそ20年でした。
多くの人が築20年前後で自宅のメンテナンスをしていますが、築10年ほどのタイミングで点検をしておくと、小さな問題が大きくなることを未然に防げるでしょう。
給湯器やエアコンなどの設備の劣化は、電気代や水道代などの光熱費が高くなるほか、トラブルや火災などを引き起こすおそれもあり、危険です。
外壁は、適切なメンテナンスをせずに汚れがついたままで放置すると、劣化が進み、塗装の剝がれやひび割れ、屋根からの浸水などの問題が発生することもあります。
定期的な塗り替えや、傷んだ箇所の修繕をすると、住宅の寿命を延ばせるでしょう。
自宅のさまざまな箇所を点検・メンテナンスして、必要に応じてリフォームすることで、小さな問題が大きくなることを防ぎ、メンテナンス費用を抑えることができます。
メンテナンスに向けて積み立てをしておくと安心
アットホーム株式会社の一戸建て修繕の実態に関する調査によると、修繕を行った箇所の1位が外壁、2位トイレ、3位屋根、といった結果になっており、これら3ヶ所の1回目修繕時の費用平均は、表2の通りです。
表2
外壁 | 100万7000円 |
トイレ | 30万6000円 |
屋根 | 92万7000円 |
※アットホーム株式会社「2023年『一戸建て修繕』の実態調査」を基に筆者作成
費用について、自宅の修繕費用を積み立てている人は、全体のわずか1割未満でした。積み立てていない9割の人に、修繕費にあてる予定の資金を聞いたところ、1位貯金、2位退職金、3位保険金となりました。
一戸建てのメンテナンスは、100万円単位のお金が必要になることもあるため、余裕があるときにあらかじめ積み立てておくと安心です。
日頃から住宅の異常をチェックしてメンテナンスに備えよう
一戸建てでは、およそ10年ごとにメンテナンスをしておくと、長く快適に過ごすことができます。
日頃から異常な音、汚れ、傷などがないかを確認することで、問題があった場合でも補修範囲が少なくて済み、範囲が広くなる前に修理することで、費用を抑えることもできます。
およそ築10年を過ぎたら、自宅の点検・メンテナンスを行いましょう。
出典
住宅産業協議会
住まいのメンテナンススケジュール
設備商品のメンテナンススケジュール
アットホーム株式会社 2023年『一戸建て修繕』の実態調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー