私「専業主婦」で夫「自営業」ですが、会社員とは違って出産や育児にともなう給付金はもらえないのでしょうか?
配信日: 2024.01.30 更新日: 2024.02.09
そこで本記事では、出産・育児に関する国民健康保険加入者の手当てや助成の事情を分かりやすくまとめました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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専業主婦や自営業者は出産手当金や育児休業給付金をもらえない
産前産後休暇や産後の育児休業期間中に支給される出産手当金や育児休業給付金は、健康保険や雇用保険の被保険者を対象とする給付金です。
国民健康保険には出産手当金・育児休業給付金に該当する制度がないため、社会保険に加入していない専業主婦や自営業者は、産前産後の休業期間の収入に対する公的な保障を受けられません。
専業主婦や自営業者も受けられる出産・育児に関する助成や補助は?
専業主婦や自営業者は、出産・育児期間の公的な女性や補助を全く受けられないわけではありません。次のような制度を利用できるため、忘れずに申請して出産や育児にともなう金銭的な負担を軽くしましょう。
●国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
●自治体の妊婦健康診査費用の助成
●出産育児一時金
●児童手当
以下で、それぞれの制度の内容を簡単に説明します。
国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
国民年金保険料の産前産後期間の免除制度は、2019年にスタートした比較的新しい制度です。この制度を利用すると、出産(妊娠85日以上の死産、流産、早産などを含む)した日または予定日の前の月から4ヶ月間(多胎妊娠の場合は3ヶ月前から6ヶ月間)の国民年金保険料が免除されます。
免除期間は付加保険料が納付できるほか、保険料納付期間として老齢基礎年金の受給額にも反映されます。制度を利用したい場合は、住民登録をしている市区町村の役所・役場に、届出書を提出しましょう。届出は、出産予定日の6ヶ月前から可能です。
自治体の妊婦健康診査費用の助成
妊婦健康診査は原則として10割負担での診療ですが、自治体によっては検査費用の全額または一部の助成を行っています。
助成の方法や範囲は自治体によって異なりますが、妊娠届を出すと受診票が発行され、国が示す標準的な健康診査を対象に窓口負担なしで診療を受けられるパターンが多いようです。住んでいる自治体ではどのような仕組みになっているのか、しっかり確認して制度を活用しましょう。
また、自治体が発行した受診票は自治体外の医療機関では使用できないのが一般的です。里帰り出産をする場合には助成の内容が異なるため、自治体に問い合わせましょう。
出産育児一時金
出産育児一時金は、妊娠4ヶ月以上で出産(流産、死産含む)をした場合に、出産費用として最大で50万円が支給される制度です。この制度は、健康保険加入者も国民健康保険加入者も同様に利用できます(国民健康保険の場合は自治体によって金額の規定が異なることがあります)。
出産育児一時金の受け取り方法には、出産後に自治体に申請してお金を受け取る方法と、医療機関が代わりに受け取って直接出産費用の精算に充てる「直接支払制度」「受取代理制度」があります。
なお、国民健康保険の加入前に健康保険に1年以上加入しており、退職後半年以内に出産した場合は、国民健康保険ではなく退職前の健康保険から出産育児一時金を受給できます。
児童手当
児童手当は、中学校卒業まで(15歳の誕生日のあと最初の3月31日まで)の子どもを養育している人が受給できる手当てです。1人目の子どもの場合、3歳未満は一律1万5000円、3歳以降は一律1万円が支給されます。
ただし、受給条件として所得制限限度額、所得上限限度額の2段階の所得制限が設けられています。養育者の所得が所得制限限度額以上で所得上限限度額の場合は給付額が5000円に減額、所得上限限度額以上の場合は支給を受けられません。
児童手当を受給するには、出生日翌日から15日以内に、住んでいる自治体(公務員は勤務先)に認定請求書を提出しましょう。
専業主婦・自営業の夫婦でももらえる給付金はある
専業主婦・自営業の夫婦の場合、社会保険の加入者が対象である出産手当金や育児休業給付金が受給できません。
しかし、出産や育児にかかわる手当てや負担軽減のための制度が全くないわけではなく、国民年金保険料の免除や、出産育児一時金など利用できるさまざまな制度があります。妊娠・出産を希望している人は利用できる制度をチェックして、もれなく活用できるように準備しましょう。
出典
厚生労働省 育児休業給付について
全国健康保険協会 出産手当金について
東京都福祉局 妊娠がわかったら
大阪市 妊産婦健康診査の公費負担について
東京都保健医療局 出産育児一時金
こども家庭庁 児童手当制度のご案内
厚生労働省 出産育児一時金の支給額・支払方法について
日本年金機構 国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー