更新日: 2019.01.10 その他暮らし
最近よく見かける「運転中のたばこポイ捨て」 これって法律違反にあたるのか
今回は、とあるケースから、自動車運転のマナーについて法律的に考えてみたいと思います。
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。
目次
友人とドライブに出かけたOさん。大音量で音楽を流す、前の車に嫌な予感がして…
Oさんは日曜日、友人とドライブに出かけました。その日はよく晴れていて、都心の道路もすいています。「絶好のドライブ日和だね」と2人は上機嫌でした。
信号待ちで停車すると、前の車が目に入りました。後ろのガラスに真っ黒なスモークフィルムを貼っており、ズンズンと大音量で音楽を流しています。
Oさんはなんだか嫌な予感がしました。よく見ると、運転手はたばこを吸いながら運転をしています。
信号が変わり、車が発進しました。すると、前方の車はなんと、窓からたばこの吸い殻をポイ捨てしたのです。その後、飲んでいたコーヒー缶まで窓から投げ捨てました。
Oさんと友人は車にコーヒー缶が当たりそうになり、ひやっとしました。
幸い大きなトラブルもなく、その車とは別れることができました。しかし、2人はしばらくの間、不愉快な気持ちになってしまったそうです。
*物語はフィクションです
車の運転中のたばこのポイ捨てや、空き缶のポイ捨ては、法律的にはどのように解釈されるのでしょうか。東京桜橋法律事務所の石垣美帆弁護士にお話をお伺いしました
車からのポイ捨ては「道路交通法第76条第4項第4号又は5号」の違反となります。
「道路交通法第76条第4項第4号又は5号」は以下の通りになります
“(禁止行為)第七十六条
4 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
四 石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。
五 前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。”
これに違反すると5万円以下の罰金に処するとあります。コーヒー缶やたばこのポイ捨てもこれに該当しますので、ただのマナー違反ではなく法律違反ということになります。
今回の事例の場合、たばこだけでなく、空き缶のポイ捨ても行われています。一歩間違うと大きな事故にもつながりかねませんので、悪質な違反と考えられます。
運転中のポイ捨ては法律違反。5万円以下の罰金に処せられる可能性がある
運転中のたばこのポイ捨てや、空き缶のポイ捨ては法律違反にあたり、5万円以下の罰金に処せられる可能性があるということが分かりました。
それだけでなく、そのことが原因で事故が起こった場合、さらに重い罪に問われることが想像できます。
車からのポイ捨ては大変悪質な行為です。軽い気持ちでしたことが大きな事故を起こしかねません。車を運転するときは周囲に気を配り、法律はもちろんマナーも守るように気をつけましょう。
Text:FINANCIAL FIELD編集部
監修:石垣 美帆(いしがき みほ)
弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。