更新日: 2024.02.28 子育て

もうすぐ高校生の子どもがいます。授業料無償化は助かるのですが、そのほかの費用はどのくらいで「公立」と「私立」は違うのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

もうすぐ高校生の子どもがいます。授業料無償化は助かるのですが、そのほかの費用はどのくらいで「公立」と「私立」は違うのでしょうか?
これから高等学校へ進学する子どもがいる保護者の中には、授業料無償化について気になる人もいることでしょう。授業料無償化には所得要件や受給資格があることは分かっているけれど、授業料以外にどのような費用がかかるのか、公立と私立ではどのくらい違うのかは、なかなか把握していないポイントかもしれません。
 
本記事では高等学校の授業料無償化「高等学校等就学支援金制度」について、所得要件や受給資格を解説します。その他にも、公立高等学校と私立高等学校の授業料以外にかかる費用の違いをまとめているので、参考にしてみてください。
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高校の授業料無償化「高等学校等就学支援金制度」はどんな制度?

高校の授業料無償化とは、正式には「高等学校等就学支援金制度」のことで、一定の要件を満たす家庭の高校生に対し、授業料の給付を行う助成制度です。対象になる高校は以下のとおりで、国公立や私立は問われません。
 

・高等学校(全日制課程、定時制課程、通信制課程)
・中等教育学校の後期課程
・特別支援学校の高等部
・高等専門学校の1~3学年
・専修学校の一般課程や各種学校(国家資格者養成課程の指定校)
・各種学校のうち、一定の要件を満たす外国人学校

 

所得要件や受給資格がある

高校の授業料無償化で給付を受けられる金額の上限は、通っている高校が公立または私立なのかによって以下のように異なります。
 

・通っている高校が公立の場合:年間11万8800円(月額9900円)
・通っている高校が国立の場合:年間11万5200円(月額9600円)
・通っている高校が私立の場合:年間39万6000円(月額3万3000円)

 
保護者に一定以上の収入がある場合、給付対象から外れます。また、両親共働きか、両親のうちどちらか一方が働いているか、子の数によって、図表1のように支給対象となる年収の目安や支給額の上限が変わる点に注意が必要です。
 
【図表1】

子の数 年間11万8800円(月額9900円)の支給対象となる年収の目安 年間39万6000円(月額3万3000円)の支給対象となる年収の目安
両親共働き 子1人 ~約1030万円 ~約660万円
高校生・中学生以下の子が2人 ~約1030万円 ~約660万円
高校生の子が2人 ~約1070万円 ~約720万円
大学生・高校生の子が2人 ~約1090万円 ~約740万円
大学生・高校生・中学生の子が3人 ~約1090万円 ~約740万円
両親のうちどちらか一方のみ働いている 子1人 ~約910万円 ~約590万円
高校生・中学生以下の子が2人 ~約910万円 ~約590万円
高校生の子が2人 ~約950万円 ~約640万円
大学生・高校生の子が2人 ~約960万円 ~約650万円
大学生・高校生・中学生の子が3人 ~約960万円 ~約650万円

※文部科学省「所得基準に相当する年収目安」より筆者作成
 

公立高校と私立高校の授業料以外にかかる費用の違い

文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査の結果について」によると、高等学校(全日制)の学習費総額は、公立と私立で以下のように違います。
 

・公立高等学校:51万2971円(学校教育費:30万9261円、学校外活動費:20万3710円)
・私立高等学校105万4444円(学校教育費:75万362円、学校外活動費:30万4082円)

 

学校教育費の内訳

高等学校の学習費総額のうち、学校教育費の内訳は図表2のとおりで、授業料以外に学校納付金等の金額差が大きいことを確認できます。
 
【図表2】

公立高等学校 私立高等学校
授業料 5万2120円 28万8443円
修学旅⾏費等 1万9556円 2万6549円
学校納付⾦や入学金 3万2805円 11万5808円
図書・学⽤品・実習材料費等 5万3103円 6万4259円
教科外活動費 3万9395円 4万7013円
通学関係費 9万1169円 12万9155円
⼊学⾦等 1万6143円 7万1844円
その他 4970円 7291円

※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」より筆者作成
 

公立と比べて私立の学校外活動費が高い

公立高等学校と私立高等学校の学校外活動費を比べると、文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査の結果について」では、図表3のように補助学習費がもっとも高いことを伝えています。
 
【図表3】

公立高等学校 私立高等学校
補助学習費 17万1000円 24万7000円
その他の学校外活動費 体験活動・地域活動 1000円 2000円
芸術⽂化活動 9000円 1万7000円
スポーツ・レクリエーション活動 2000円 1万3000円
国際交流体験活動 7000円 8000円
教養・その他 1万3000円 1万8000円

※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」より筆者作成
 
補助学習費とは、学習塾や家庭教師にかかる費用のことで、公立高等学校と比べて私立高等学校が7万6000円も高いです。

 

私立高校の授業料以外にかかる費用を事前に把握しておこう

高等学校の授業料無償化によって、かかる学費の負担軽減を期待できます。しかし、高等学校へ通う際には、授業料以外にもさまざまな学校教育費や学校外活動費がかかることを把握しておきましょう。特に公立高等学校と比べて、私立高等学校は学校納付⾦や入学金、学習塾や家庭教師にかかる費用である補助学習費が高い傾向です。

 

出典

文部科学省 高校生等への修学支援
文部科学省 所得基準に相当する年収目安
文部科学省 支給期間 ・ 支給限度額一覧(令和2年4月以降)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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