更新日: 2024.03.05 その他暮らし

「支払総額100万円」表示の中古車を買おうとしたら「諸費用込で120万円」の見積書を出されました。なぜそんなに高いのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「支払総額100万円」表示の中古車を買おうとしたら「諸費用込で120万円」の見積書を出されました。なぜそんなに高いのでしょうか?
中古車販売業界での販売トラブルは、消費者が中古車販売業界に不信感を抱くまでになっていました。これを解決するために義務付けられたのが、2023年10月からの中古車価格の支払総額表示です。
 
しかし、支払総額に含まれない、含めてはいけない費用もあります。本記事では中古車の支払総額の詳細や総額に含まれない費用を解説します。中古車の購入を考えている人は参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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中古車の支払総額とは

中古車の販売における支払総額の表示義務は、不正防止を目的とした法規制によるものです。法制化されるまでは、購入しようとしたときに表示されている価格以上の金額を請求されると言ったトラブルが多くありました。
 
トラブルをなくそうとした結果が、支払総額表示義務化です。まずは中古車の支払総額表示義務化の概要を解説します。
 

中古車の支払総額表示義務化の概要

自動車公正競争規約・同施行規則が2023年10月に改正されてから、中古車販売の広告などでは「支払総額」での価格表示が義務付けられています。改正によって表示が義務付けられたのは以下の3点です。

・中古車の販売価格は「支払総額」を表示
 
・定期点検整備実施の有無は「定期点検整備付き」または「定期点検整備なし」と明確に表示
 
・保証の有無の表示は「保証付き」または「保証なし」と明確に表示

支払総額は車両価格に諸費用を加えた金額ですが、車両価格に含まれるものや諸費用に含まれるものも決められています。
 

中古車購入にかかる費用

支払総額に含まれる車両価格と諸費用の具体的な内訳は以下のとおりです。

◆車両価格……店頭引き渡しの消費税を含めた現金価格

・展示時点ですでに装着済だった装備など(ナビ・オーディオ・カスタムパーツなど)を含む
 
・価格や品質に大きな影響がある定期点検整備や保証を付けて販売するときの費用を含む

◆諸費用に含まれる費用

・保険料……自賠責保険
 
・税金……自動車重量税、自動車税種別割・環境性能割、消費税など
 
・登録等に伴う費用……登録等手続代行費用など

支払総額に含まれないもの

支払総額に含めなくてはいけない諸費用とは反対に、含められない、あるいは含めてはいけない費用もあります。それは購入者によっては必ずしも必要がない費用、たとえばオプションに伴う費用などです。
 
支払総額以外に請求される可能性がある費用には以下のものがあります。

・遠方納車の陸送費……3~10万円(複数県をまたぐ場合もっとも高い)
 
・管轄外登録(届出)費用……1~2万円
 
・任意保険料……平均5~6万円(自家用小型)
 
・希望ナンバー申請費用……4000~7000円(代行費用5000~1万円)
 
・下取査定費用……5000~1万円
 
・下取り諸手続代行費用……5000~1万5000円
 
・ETCセットアップ費用……3000~6000円

上記のすべての費用がかかった場合、支払総額以外に20万円以上かかることになるので、支払総額に含まれない費用は事前に確認しておきましょう。
 

中古車購入で節約可能なもの

中古車を購入するときに節約できる費用は以下のとおりです。

・車庫証明代行費用……1~3万円(自分でやると3000円程度)
 
・納車費用……距離によって5000~10万円(自分で取りに行けば無料)
 
・環境性能割……燃費性能により非課税~3%(取得価額50万円以下は非課税)

上記は自動車購入時だけにかかる費用ですが、自分で手続きしたり燃費の良い車種にしたりするだけで数万円の節約につながります。
 

中古車には支払総額には含まれない諸費用もあるので、購入を決める前に確認しよう

2023年10月以降は支払総額の表示が義務付けられたため、以前に比べて法外な費用を請求される可能性は少なくなりました。しかし、支払総額に含まれない費用もあることは認識しておきましょう。購入者全員が必要としない費用は、支払総額には含めてはいけないからです。中古車を購入するときは、事前に支払総額に含まれない費用を調べておくことが大切です。
 

出典

東京都主税局 自動車税環境性能割 | 税金の種類
自動車公正取引協議会 自動車公正取引協議会 中古車の販売価格の表示が、「支払総額」に変わりました!!│クルマに関する情報
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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