更新日: 2024.03.25 その他暮らし

通帳の再発行で「1100円」も請求されました。1冊はあんなに薄いのに高すぎませんか?

通帳の再発行で「1100円」も請求されました。1冊はあんなに薄いのに高すぎませんか?
2021年以降、各銀行では通帳の再発行に手数料を請求しています。それ以前は基本的に無料だったため、有料化されたことを知らずに手続きをしたときに驚いてしまっても無理はないでしょう。しかも、手数料が1100円といわれれば、高すぎると感じても不思議ではありません。
 
では、銀行はなぜ、通帳の再発行を有料化する必要があったのでしょうか。通帳を無料で利用する方法などとともに解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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通帳の再発行が「有料」になった背景には何がある?

通帳をなくしたり盗まれたりした場合には、再発行が必要になります。再発行は、長らく基本的に無料でした。ところが、2021年1月にみずほ銀行が有料に切り替えたのを皮切りに、その他の銀行も順次有料化に踏み切っています。
 
金額は、東京に本店がある3つのメガバンク(みずほ、三井住友、三菱UFJ)の場合で、一律1100円(2024年3月時点)です。では、基本的に無料だった通帳の再発行は、なぜ有料化されることになったのでしょうか。その理由としては、銀行が負担する税金やデジタル化の推進が挙げられます。
 
通帳には、印紙税という税金がかかります。ただし、印紙税を納付するのは預金者ではなく銀行です。銀行は、預貯金・信託・掛金・保険料などの各種通帳に対して、1年ごとに1口座200円の印紙税を納付しています。
 
例えば、取引口座数(個人)は2400万口座とすると、1口座200円のため、毎年48億円の印紙税を納めていることになります。印紙税だけでこれほどの出費は、メガバンクといえども相当な負担になるでしょう。
 
また、各銀行には紙の通帳の再発行を有料化することで、インターネットバンキングへの移行を促そうという思惑もあります。口座の保有者をインターネットバンキングに移行させることで、ATMや店舗にかかる維持・管理費の削減が可能になるためです。このように、通帳の再発行に手数料が導入された背景には、印紙税の負担や銀行のコスト削減策が関係していると考えてよいでしょう。
 

再発行以外にも手数料は必要?

新規開設や繰り越しの際にも、発行手数料は必要なのでしょうか。各メガバンクでは再発行だけでなく、新規口座の開設や繰り越しの際にも手数料が必要です。
 
その金額は一律ではなく、新規開設や繰り越しの際に1100円(2024年3月時点)が必要な銀行と、新規開設後に年1回550円(同)が必要な銀行があります。新規開設時はともかく、口座を持っているだけで毎年手数料が必要になることに対して、抵抗を感じる人もいるでしょう。そのような人に適しているのが、インターネットバンキングのデジタル通帳です。
 

デジタル通帳とは

デジタル通帳は、ダイレクト通帳やEco通帳などともよばれる、インターネット上で利用する通帳のことです。インターネットバンキングに口座を開設すれば発行されますが、その際の手数料を無料にしている銀行があります。
 
また、デジタル通帳は紛失したり盗難に遭ったりする心配がないため、そもそも再発行の必要がありません。さらに、繰り越しの必要もなく、年間手数料もありません。ただし、一度デジタル通帳にすると、再び紙の通帳に切り替えることができない銀行もあるため、事前に確認したうえで申し込みましょう。
 

デジタル通帳なら記帳や繰り越しの手間も省ける

通帳の再発行に手数料が必要になった理由が、銀行の負担する印紙税の軽減や、経費の削減にあることが理解できました。とはいえ、手数料が必要になった理由が、どちらも銀行の都合であることに納得できない人もいるでしょう。そのような人は、再発行が必要になった機会に、口座開設の手数料が無料のネットバンキングに移行して、デジタル通帳に切り替えてみてはいかがでしょうか。
 
デジタル通帳には発行手数料が無料というだけでなく、記帳や繰り越しの必要がないといったメリットもあります。そのため、そういったことに煩わしさ感じている人にとっても適しているといえるでしょう。
 

出典

国税庁 印紙税額
国税庁 令和4年度分の預貯金通帳等に係る印紙税一括納付の手続について
総務省 インターネットバンキングの仕組み
一般社団法人全国銀行協会 デジタル通帳に切り替えると何が変わる?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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