更新日: 2019.01.11 その他暮らし
主役は“お犬様” ペットビジネスはここまで来た
近所に「犬塾」の看板を見つけました。ペットビジネスについて考えます。
Text:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
“しつけ”は大事!?
夕暮れ時、犬のお散歩をするシニアに出会います。時折愛犬に話しかるのですが、その表情から愛情たっぷりであることが伺い知れます。少子化や単身世帯の増加が著しい昨今ですが、ペットを飼う人は増加しています。犬は従順なので、ついつい愛情過多になります。愛犬家からはお叱りを受けそうですが、過保護になることもあるのではないでしょうか。
友人とランチの約束をしようと予定を確認し合った時のことです。幼稚園が……というのです。子どもはいないはずなので、聞いてみると“犬の幼稚園”だそうです。飼い始めた犬のしつけを学ばせたり、友達を作ったりのために通わせているとのこと。彼女も通園を楽しみにしていて、そのスケジュールを、何より優先しているようでした。
犬の“しつけ”では、通信教育もあります。「こいぬすてっぷ」は受講犬が1万匹に達したということですが、これは子犬の成長に合わせたしつけや育て方の読本・健康おやつ・知育おもちゃ・月齢にあわせた日用品が毎月届けられるというものです。料金は1回3,500円、定期購入の場合2,980円です。先生にお任せではなく、“私が育てます”が感じられます。
“私が”ということでは、しつけ以外にも、飼い主が自身の手でシャンプーやカットなど、本来はトリマーに任せていた技術を学ぶ教室も登場しています。これには、ペットサロンが不足していることや、トリミングの費用を節約したい、好みのスタイルにしたい等々の理由があるようです。
ペットの人生に寄り添う仕事
先日、ある勉強会で隣席になった男性ファイナンシャルプランナー(FP)。「ペットに特化した行政書士FPです」という自己紹介に驚きました。FPという職業は仕事が多岐に亘ります。そこで「相続に詳しい」とか「不動産に強い」といった、特定分野に特化したFPは多いです。
しかし、「ペットに」というのは初耳でした。内容を聞いてみると、「ペット保険の選び方や病院の紹介。亡くなった時は、葬儀やお墓。逆に飼い主が亡くなった時に、残されたペットのためにできること。相続は出来ないので、ペット信託Rのことなど。ワンストップでアドバイスできます」なるほど、と唸ってしまいました。
ペットは言葉を話せませんが、話せないからこそ、衣・食・住以外にも、いろいろなサポートが必要かもしれません。底知れない飼い主の愛情をくみ取る仕事は、これからも進化し続けそうです。
この時期、ペット用のクリスマスケーキを注文している愛犬家・愛猫家の姿が目に浮かびます。私のケーキより、体に優しそうです。
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
相続診断士