更新日: 2024.04.03 子育て

今年、長男が高校に入学するので、世帯収入を無償化の範囲に収めようと思います。高3の卒業までずっとおさえなくてはならないのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

今年、長男が高校に入学するので、世帯収入を無償化の範囲に収めようと思います。高3の卒業までずっとおさえなくてはならないのでしょうか?
給付金には収入の制限がある場合も多いため、給付金を受け取るために収入を調整している人もいるでしょう。高等学校等就学支援金も、収入要件がある給付金のひとつです。高等学校等就学支援金を受け取るには、高校在学中ずっと、収入をボーダーライン以下におさえる必要があるのでしょうか。
 
本記事では、高等学校等就学支援金の収入判定のタイミングや対象となる世帯年収の目安、判定には誰の収入が含まれるのかなどをまとめました。
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高等学校等就学支援金制度の収入状況の判定は毎年行われる

高等学校等就学支援金制度(高校無償化)とは、世帯の収入が条件を満たしている場合に、高校の授業料の一部または全部に相当する金額(最大39万6000円)が支給される制度です。
 
収入の状況の判定は、入学時だけでなく毎年行われます(1年生は4月と7月、2・3年生は7月)。判定には、毎年6月頃に更新される最新の地方住民税情報が用いられます。そのため、制度を継続して利用したい場合は、在学期間を通して世帯収入を無償化の範囲におさえなければなりません。
 
なお、入学時に無償化の対象でない場合も、世帯の状況が変わって支給基準を満たした場合は、その都度申請をして認定を受けられます。学校に相談をして申し込みましょう。
 

高等学校等就学支援金制度を利用できる年収の目安は?

高等学校等就学支援金制度の所得要件は、次の基準で判定されます。
 
市町村民税の所得割の課税標準額(課税所得額)×6%-市町村民税の調整控除の額
 

・上記で算出した金額が15万4500円未満:私立高校授業料の実質無償化の対象
・上記で算出した金額が15万4500円~30万4200円未満:基準額(11万8800円)の対象

 
市町村民税の所得割の課税標準額、市町村民税の調整控除の額は、課税証明書やマイナポータルで確認できます。また、高等学校等就学支援金制度の対象となる世帯年収の目安は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

子どもの数 支給額11万8800円 支給額39万6000円
共働き世帯 高校生1人 約1030万円以下 約660万円以下
高校生1人、中学生以下1人 約1030万円以下 約660万円以下
高校生2人 約1070万円以下 約720万円以下
大学生1人、高校生1人 約1090万円以下 約740万円以下
大学生1人、高校生1人、
中学生以下1人
約1090万円以下 約740万円以下
両親の一方が
働いている世帯
高校生1人 約910万円以下 約590万円以下
高校生1人、中学生以下1人 約910万円以下 約590万円以下
高校生2人 約950万円以下 約640万円以下
大学生1人、高校生1人 約960万円以下 約650万円以下
大学生1人、高校生1人、
中学生以下1人
約960万円以下 約650万円以下

文部科学省「高校生等への修学支援 高等学校等就学支援金制度 所得基準に相当する目安年収(例)」より筆者作成
 

高等学校等就学支援金制度の支給額は誰の年収で判断されるのか

高等学校等就学支援金制度の支給の有無や支給額の判定に用いられるのは、原則として親権者の収入(課税所得額)です。パートなどで非課税の範囲で収入を得ている場合は、判定時の年収には算入しません。また、親権者以外に祖父母や兄弟など収入のある家族と同居していても、年収の判定には影響ありません。
 
なお、親権者はいるものの、DVなどの事情で費用の負担を求めるのが難しい場合は、主に生徒本人の生計を維持している人の収入で判定を行います。親権者がおらず、未成年後見人がついている場合は、未成年後見人の収入で判断するケースもあります。
 

高等学校等就学支援金の仕組みを知って制度を有効活用しよう

高等学校等就学支援金の収入要件の判定は、毎年行われます。制度を利用するために収入をおさえるなら、在学中は一貫して収入をセーブし続けることが必要です。
 
高等学校等就学支援金の収入の判定は、基本的には親権者のみの収入で行います。祖父母などの同居家族の収入は影響しないため、収入を減らす必要はありません。
 
高等学校等就学支援金は、かさみがちな高校の学費負担を軽減できるありがたい制度です。制度の仕組みをよく理解して、しっかり活用しましょう。
 

出典

文部科学省 高等学校等就学支援金制度に関するQ&A
文部科学省 高校生等への修学支援 高等学校等就学支援金制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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