更新日: 2024.04.08 その他暮らし

警察に「10万円」が入った財布を届けました。落とし主からのお礼が「5000円」でしたが、お礼って「1割」もらえるんじゃないですか!?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

警察に「10万円」が入った財布を届けました。落とし主からのお礼が「5000円」でしたが、お礼って「1割」もらえるんじゃないですか!?
落ちていた財布を拾い警察に届け、後日落とし主から謝礼を受け取ったことがある人もいるかもしれません。「謝礼」というと、財布を届けた場合には財布の中身の1割がもらえると思っている人もいるかもしれませんが、法律上は「落とし主に1割の謝礼を支払うこと」とはなっていません。
 
本記事では、財布を拾った際の謝礼の金額について解説します。
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落とし物を拾って警察などに届けることは義務

落とし物を拾った際には、「落とした人が困るから」という善意から警察などに落とし物を届ける人も多いでしょう。しかし中には、「落とした人が悪い」などと考え、落とし物を警察などに届けずに自分の物にしてしまう人もいるかもしれません。
 
しかし、落とし物を届けずに自分のものにすることは刑法に違反します。
 
具体的には、刑法254条には「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」とあります。つまり、「落とし物をこっそり自分の物にしてしまった場合」には、1年以下の懲役か10万円以下の罰金に処されてしまうということです。
 

落とし主からのお礼は5~20%まで

落とし物に対するお礼としては、「1割」というイメージを持っている人もいるかもしれません。その場合、タイトルの様に10万円を拾ったのに、5%に当たる5000円しかもらえなかったとすると、「少ないのでは?」と思っても無理はありません。
 
しかし、遺失物法では、落とし主は拾ってくれた人に対し、落とした代金の5~20%に相当する額を支払わなければならないとしています。
 
つまり、10万円が入った財布を拾い警察などに届け、後日落とし主が見つかった場合、落とし主から受け取れる謝礼の金額は5000円~2万円の間です。金額に幅がありますが、実際にどれくらいのお礼になるのかは、落とし主と拾い主の間の話し合いで決まります。
 
そのため、今回の事例では落とし主に対して2万円まで請求できますが、5000円だからといって少なすぎるというわけでもありません。
 
なお、駅、デパート等の施設で拾った場合、お礼は施設と折半となるので、今回のケースで請求できる金額は2500円~1万円です。
 

落とし物は拾った日から7日以内に届ける

落とし物を届けることで、拾得者としての権利が生じますが、そのためには、落とし物を拾った日から7日以内(管理者のいる場所では24時間以内)に警察署などに届ける必要があります。もしも7日を超えた時点で警察署に届けると、拾得者としての権利を失ってしまいます。
 

3ヶ月以内に落とし主が判明しない場合、落とし物は自分のものにできる

落とし物を届けて3ヶ月以内に落とし主が判明しない場合、落とし物を自分の物として受け取ることが可能です。ただし、法令の規定で所持が禁止されているものや、クレジットカードや身分証明書といった個人情報に関わる特定のものについては取得ができません。
 

まとめ

財布を拾って警察などに届けた場合、財布の中身の5~20%ほどを請求する権利があります。とはいえ、実際にいくらもらえるのかは落とし主との交渉の結果によります。せっかく落とし物を届けるという良い行動をしているので、落とし主とトラブルにならないようにお礼を受け取りましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 遺失物法
e-Gov法令検索 刑法
警視庁 警察に届け出ましょう!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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