更新日: 2024.04.19 子育て
東京都に住む会社員です。年収1000万円ですが、私立高校に通う子どもの授業料は無償化になりますか?
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)
東京の高校授業料無償化内容
2023年度まで、東京都では世帯の年収目安が910万円未満であれば、高校の授業料は47.5万円まで補助され、授業料は実質無償化されていました。すべて東京都が負担しているわけではなく国の負担に上乗せして実質無償化を実現させている状況です。
今回、この910万円という所得制限が撤廃され、910万円以上の世帯に対しても東京都が授業料を100%負担することで、すべての世帯において高校授業料無償化が実現されることになりました。
2024年度の支援額は、東京都の私立高校授業料の平均額が上昇したため、実際の授業料を上限として48.4万円までと2023年度より支援額はアップします。
授業料無償化対象者は都内に住み、私立高校や都立高校に通う生徒の保護者です。生徒と保護者が都内に住んでいることが条件で、他県民が都内の高校に通ったとしても、東京の授業料無償化は適用されません。逆に東京に住んでいれば、他県の高校に行っても授業料無償化が適用されます。都民として東京で住民税という“東京への会費”を納めている人が対象というわけでしょう。
実際保護者が負担する費用は
授業料無償化とはいえ、無償化となるのは授業料のみですから、その他の費用は保護者負担です。では、その他の負担にはどのようなものがあるでしょうか。例えば、明治大学付属明治高等学校の場合、初年度は図表1の費用がかかります。
【図表1】
授業料は60万2400円ですが、すべての金額が補助されるわけではありません。上限は48万4000円ですから、その差額11万8400円は保護者負担です。もちろん、その他の費用もすべて保護者負担ですから、合計すると初年度の負担額は約105万円となります。
準備方法や対策はどうすべきか
基本的に高校の費用は、その時の収入から支出しますから、特別準備する必要はありません。しかし、子どもが高校生になる頃に収入減少が予想されたり、双子がいたり、きょうだい全員の教育費を考えると高額になると予想されたりする場合は、準備しておいたほうが良いでしょう。この場合、目標とする金額を今積み立てた場合、月々の積み立てがいくらになるか逆算します。
無償化されるもの、されないものを区別する
無償化と聞くと、負担がかなり小さくなる印象を持ちますが、実際に保護者負担がゼロになるわけではありませんし、塾や予備校に行くなら学校以外の費用も大きくかかってきます。慌てず対応できるよう、どの程度の負担が発生するのか、制度と照らし合わせてご自身の家庭における教育費の目安の金額を知っておきましょう。
出典
明治大学附属明治高等学校 学費・奨学金
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士