更新日: 2024.05.29 その他暮らし
ゴミ捨場で貴重品をあさっている人を見かけました。ゴミではありますが、窃盗として罰金などが発生しないのでしょうか?
望ましい行為ではありませんが、そもそもゴミ捨場からゴミを持ち帰る行為は窃盗などの罪に問われないのでしょうか。ゴミ捨場をめぐるルールも含めて、不思議に思う方は多いと思います。
そこで今回は、ゴミ捨場からゴミを持ち帰る場合の違法性や罰金の有無について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ゴミ捨場のゴミは誰の所有物?
ゴミ捨場のゴミをめぐる所有権は複雑ですが、基本的に、ゴミ捨場に捨てられたゴミは所有権が放棄されたものと見なされます。
しかし、ゴミ捨場の管理者に所有権が移る場合があり、これはマンションやアパートなどのゴミ捨場によくあるケースです。その旨を記した掲示物がゴミ捨場の近くにあると、争点になった際の決め手になります。
注意書きがある状況でゴミ捨場からゴミを持ち去ると、他人の所有物を無断で持ち去ったとして罪に問われる可能性があります。所有権が自治体になっている、公共のゴミ捨場も同様です。特に、資源ゴミは自治体の資源として厳しく規制されています。
ゴミ捨場から貴重品を漁って持ち帰るのは違法?
ゴミを拾って持ち帰ること自体は違法ではありません。これはゴミとして捨てられた時点で元々の所有者から所有権が失われ、拾った人に所有権が移るからです。
例えば、道端に落ちている空き缶を拾って持ち帰っても違法にはなりません。違法になる可能性があるのはゴミ捨場のゴミに所有権があり、そのゴミを無断で持ち帰った場合です。状況次第で窃盗罪や遺失物横領罪などに問われる可能性があります。
持ち帰るのが貴重品の場合は特に問題で、分かりやすい例として現金が挙げられます。現金を捨てるとは考えにくいため、この場合、意図せず捨ててしまったと考えるのが妥当です。
この場合は所有権が元々の所有者に残り、現金を持ち帰ると遺失物横領罪に問われる可能性があります。
違法になった場合の罰金はいくら?
ゴミ捨場からゴミを持ち帰った場合、状況次第で以下の罪に問われる可能性があります。
・窃盗罪
・遺失物横領罪
・各自治体の条例違反
窃盗罪に該当する場合、刑法第二百三十五条で「十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と定められている通り、多額の罰金を払う可能性があるでしょう。
遺失物横領罪の場合は、刑法第二百五十四条で「一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」とされています。条例違反に関しては自治体により異なるので、禁止事項や罰金額も調べる必要があるでしょう。
ゴミの持ち帰りに違法性はないが、状況次第で罰に問われる可能性がある
ゴミ捨場からゴミを持ち帰る行為そのものに違法性はありません。しかし、状況次第で窃盗罪などの罪に問われる可能性があります。その場合、争点になるのがゴミの所有権です。
ゴミの持ち帰りは、周囲から見ても好ましい行為とはいえません。トラブルになる可能性もあるため、控えた方がよいといえるでしょう。
出典
e-Gov法令検索 明治四十年法律第四十五号 刑法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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