更新日: 2024.05.31 その他暮らし
乗り換えで「トヨタ ヤリス」を検討しています。ガソリン車に比べて「ハイブリット車」のほうが車検費用が安いと聞きましたが、どのくらい違いますか? 定期的に支払うので、できるだけ抑えたいです
本記事では、車検費用の仕組みを解説し、ハイブリッド車とガソリン車でどのくらい車検費用に差が出るのか検証します。
車検費用にはどのようなものがある?
車検にかかる費用は、主に次の3つです。
●法定費用
●車検基本料
●部品交換費用
それぞれ何にかかる費用なのかを解説していきます。
法定費用とは
車検の法定費用は、車にかかる保険料や税金など金額が法律により定められている費用です。法定費用は次の3つの合計金額です。
●自賠責保険料(24ヶ月分を支払うことが多い)
●自動車重量税
●印紙代
法定費用はどこで車検を受けても費用の差はありません。車検を受ける場所によっては、車検基本料や部品交換費用はクレジットカードでの支払いができますが、法定費用のみ現金支払いを求められることもあります。
車検基本料
車検基本料とは、次のような費用の合計金額です。
●24ヶ月定期点検料
●測定検査料
●車検代行手数料
●スタッフ人件費
●事務手数料など
車検基本料は、車検を受ける場所によって約3万円~約10万円と大きく異なります。一般的にディーラー車検は検査が手厚く安心ですが、点検料や人件費がかかるので費用が高くなりがちです。車検専門店やガソリンスタンドで行う車検では、車検に通す最低限の検査のみ行うため費用が安くなる傾向にあります。
また、ハイブリッド車は点検費用が高そうだと感じる人もいるようですが、点検費用自体はハイブリッド車もガソリン車もほとんど同じです。ただし部品交換費用はガソリン車に比べるとハイブリッド車のほうが高額なため、部品交換がある場合にはハイブリッド車のほうが割高になります。
部品交換費用
そのほかの車検費用として挙げられるのが、部品交換費用です。車検を通すために交換必須な部品がある場合は、必ず部品交換費用がかかります。車検時に、エンジンオイルやブレーキパッド、エアクリーナーなどさまざまな部品交換を勧められるケースもあるでしょう。
交換費用を少しでも抑えるためには、エンジンオイルやワイパーゴムの交換など、自分でできるケアをあらかじめ行っておくと車検費用の節約につながります。
ハイブリッド車ではバッテリー交換費用がガソリン車に比べて高額です。一方で、ブレーキパッドなど他の部品に関してはガソリン車よりも寿命が長いとされています。
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ハイブリッド車はガソリン車より法定費用が安く済む
ここまで説明した車検費用の中で、大きく差が出るのが「自動車重量税」です。トヨタのヤリスを例にとり、「トヨタ ヤリス Z ハイブリッド車」と「トヨタ ヤリス Z ガソリン車」の新車購入から3年後に初めて車検に出す場合の車検費用を、図表1で確認してみましょう。
図表1
トヨタ ヤリス エコカー対象グレード・国土交通省 令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方(フローチャート)・登録・検査手数料一覧などを基に筆者作成
トヨタ ヤリスのハイブリッド車は100%減税(免税)対象車となっているため、自動車重量税がかかりません。そのため、車検費用は自動車重量税だけで約2万5000円の差が出ました。さらに、ガソリン車の場合は、13年目以降、18年目以降でそれぞれ自動車重量税が重課となります。
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まとめ
車検は新車は3年、以降は2年に1度、車に乗り続ける限り実施する必要があります。車検費用は「法定費用」「車検基本料」「部品交換費用」を合わせた金額ですが、「トヨタ ヤリス Z」では、ハイブリッド車とガソリン車で車検基本料や部品交換費用は大きく変わらないようです。
ただし自動車重量税が大きく異なり、ガソリン車の場合は約2万5000円を車検ごとに支払う必要がありますが、ハイブリッド車の場合は初回が免税となり0円、2回目以降も減税となります。
もし20歳から、70歳まで50年間乗り続けたら、頻繁に買い替えない限り20回以上車検を受けることになります。20回車検を受けた場合で考えると、50年間で車検費用の差は免税・減税により結構な金額になります。
車検費用以外の補助金なども考えると、費用面でも環境面でも、これから買い換えるならハイブリッド車を選ぶメリットは大きいといえるのではないでしょうか。
出典
トヨタ ヤリス エコカー対象グレード
三井住友海上 自賠責保険 保険料例(本土用)
国土交通省 令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方(フローチャート)
国土交通省 登録・検査手数料一覧表
執筆者:古澤綾
FP2級