更新日: 2019.01.10 その他暮らし
ちょっとしたバイト感覚で人生終了も!被害者、加害者どちらにもなり得る若者が狙われている!
インターネットの発展に伴い、その手口は多様化しており、インターネットを当たり前のように使いこなす若者だからこそ、簡単に狙われる面があるのです。
「受け子」「出し子」「かけ子」、多くの若者は、ちょっとしたバイト感覚で、お小遣いを稼ぐつもりで、それを犯罪だと知らずに加担している場合もあります。知らないうちに実行犯にされ、報酬もなしに切り捨てられる、そんなケースもあるのです。
Text:黒澤佳子(くろさわよしこ)
CFP(R)認定者、中小企業診断士
アットハーモニーマネジメントオフィス代表
栃木県出身。横浜国立大学卒業後、銀行、IT企業、監査法人を経て独立。個別相談、セミナー講師、本やコラムの執筆等を行う。
自身の子育て経験を踏まえて、明日の子どもたちが希望を持って暮らせる社会の実現を願い、金融経済教育に取り組んでいる。
また女性の起業,事業承継を中心に経営サポートを行い、大学では経営学や消費生活論の講義を担当している。
法改正が絶好の機会に!?
成人年齢を18歳に引き下げる改正民法が、2022年4月1日に施行されます。いわゆる「18歳成人」です。若者が親の同意なくローンなどの契約を結べるようになり、親の同意なく行った契約は原則取り消せるという規定は、18歳、19歳は適用されなくなります。
既に選挙権は18歳以上と引き下げられていますので、18歳、19歳の若者に大人と同様の権利と責任が発生するわけです。
諸外国では18歳成人の国が多く、グローバル社会への対応、若者の社会参画を促す意味では、重要な法改正かもしれません。しかし、その環境が整っているかは疑問が残ります。
同じ高校生でも、立場が違う?!
学校教育の現場においては、誕生日によって、成人と未成人が混在することになります。
私が高校生のころは、進路が決まった同級生が自動車免許の教習所に通う姿が、なんとも大人びて見えました。つい最近では、選挙に行けるか行けないかは、高校生の中でもちょっとした話題でした。
選挙権に関しては、多くの学校で特別授業などを行い、対象年齢の生徒だけでなく、のちに対象となる生徒たちの理解を深めています。今後もそういった取り組みは行われると予想しますが、教育は時間がかかるもの。学校教育だけではなく、家庭でも社会でも教育は必要です。
高校生ともなると、本人は「大人」なつもりですが、やはり本当の「大人」とは知識も経験も不足し、大人では当たり前の常識を、高校生は知らないことも多いのが現状です。
犯罪者はまさにそこを狙ってきます。
知識や経験、判断力が不足している消費者を不当に勧誘し締結させた契約を取り消せる権利の創設などが検討されています。しかし、広く消費者教育が行きわたり、みんなが正常な判断能力を有することを前提にしていては、詐欺犯罪が後を絶たないのも頷けてしまいます。
「人間は時にミスを犯す」・・・それを前提にした実効性のある規範作りと有効な教育環境を整えていきたいと思います。
Text:黒澤佳子(くろさわよしこ)
CFP(R)認定者、中小企業診断士