子ども1人の大学進学で400万円かかると言いますが、国立大の自宅通学なら最安で済むと思います。どのくらいの額に収まるでしょうか?
配信日: 2024.06.07
大学進学費用は、子どもが国公立大学に進学するか、私立大学に進学するかで大きく変わってきます。自宅通学を行うことで削減できる費用も多いです。この記事では、大学進学費用の削減と通学方法の違いでどれだけ家庭の負担が減るかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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国公立大学と私立大学の学費の違い
大学進学にかかる費用は、大学の授業料と入学料がその大部分を占めます。
表1は、令和3年度の国公立大学と私立大学の授業料の平均値です。
表1
国立大学 | 公立大学 | 私立大学 | |
---|---|---|---|
入学料 | 28万2000円 | 39万1305円 | 24万5951円 |
授業料 | 53万5800円 | 53万6363円 | 93万943円 |
4年間にかかる学費 | 242万5200円 | 253万6757円 | 396万9723円 |
文部科学省 (参考2)国公私立大学の授業料等の推移を基に筆者が作成
表1を見ると、国立大学と公立大学はかかる学費に大きな違いはありませんが、国公立大学と私立大学では、4年間で150万円近くの差が出ます。大学進学費用を抑えるには、国公立大学への進学を第一の選択肢とすべきでしょう。
大学進学にかかるその他の費用
大学進学にかかる費用は、学費以外にも大学の受験料や子どもが暮らす借家の契約料、生活用品の購入費などがあります。
大学の受験料は、大学入学共通テスト(センター試験)の3教科以上受験で1万8000円、2教科以下の受験で1万2000円です。国公立大学の2次試験は1万7000円、私立大学の受験には3万円〜3万5000円の費用がかかります。
受験生は複数の大学を受験することが多いので、1次試験の費用に加え、その後受験した大学の数が多いほど費用は増えます。
大学に合格した後は、子どもが暮らすための借家を探す必要があります。家を借りるのに必要な費用は、敷金・礼金のほか、不動産会社に渡す仲介料や保険会社との契約料、鍵の交換費用などがあります。
表2は、家を借りる際の初期費用をまとめたものです。
表2
敷金 | 家賃1~2ヶ月分 |
礼金 | 家賃1~2ヶ月分 |
仲介手数料 | 家賃0.5~1ヶ月分 |
前家賃 | 家賃1ヶ月分 |
家賃保証会社の保険料 | 家賃0.5~1ヶ月分 |
損害保険の保険料 | 約1~2万円 |
鍵交換費用 | 約1~2万円 |
出典元を基に筆者作成
仮に家賃3万円の家を借りた場合、15万円ほどが必要になります。
敷金は、過失がなければ返還されるので費用には含めていません。最近は敷金・礼金不要の物件も多いので、礼金不要の物件ならばその分費用は安くなります。クリーニング費用は入居時に請求されることもあるので、費用として含めています。
家を借りるときは、これらの費用に加え、引っ越し費用、家具・家電、生活用品をそろえる費用などが必要です。大学進学費用は、子どもが1人暮らしをすると高額になりますが、自宅通学を行うことで費用を大きく減らすことができます。
自宅通学で減らせる費用
子どもが自宅通学を行うことで削減できる費用は、家賃・生活費・交通費です。
自宅通学を行えば家を借りる必要がなく、その分家賃を減らせます。月々の家賃の支払いがないのは、費用の削減に大きな効果をもたらします。家を借りる際の初期費用や家具・家電を購入する費用がかからないのも大きいです。
生活費は、1人暮らしよりも複数人で同じ家で生活する方が少なくなります。食事は大人数の分を一度に作ることで材料費が少なくなり、水道・光熱費やインターネットの通信代も共用できます。
交通費の削減は、自宅から通える距離に大学があることが前提ですが、行事ごとで帰省する必要がなくなります。大学と実家の距離が離れているほど、盆・正月・GWの帰省にかかる費用もかかるので、削減効果は思った以上に大きいです。
国立大学の自宅通学は費用削減効果が大きい
大学の学費は、国公立大学と私立大学では大きな違いがあります。大学進学費用の削減を目指すならば、国公立大学への進学は大きな意味があります。
自宅通学による費用削減の効果も思った以上に大きいです。子どもの希望や大学の合否などによって、全てを思った通りに進めるのは難しいと思いますが、選択や工夫次第で削減できる費用が大きいのもまた事実です。
出典
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
株式会社スムーズ 大学生の一人暮らし、初期費用はどれくらいかかる?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー