奨学金制度を利用したいけどお金を返すのが大変そう… 返済計画を立てるポイントは?

配信日: 2024.06.22

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奨学金制度を利用したいけどお金を返すのが大変そう… 返済計画を立てるポイントは?
大学や専門学校などへの進学を考える際に、経済的な理由で進学をあきらめないための方法の一つとして、「奨学金制度」があります。
 
奨学金は、返還が不要な「給付型」と返還が必要な「貸与型」に分かれ、日本学生支援機構の奨学金受給者の現状は貸与型が約7割を占めます。貸与型の場合、返還することを見据えて、奨学金の貸与額を決めたり、返還する計画を立てておいたりする必要があります。
 
本記事では、貸与型奨学金を利用して進学する際に注意すべきポイントや計画の立て方について、詳しく解説していきます。
廣重啓二郎

執筆者:廣重啓二郎(ひろしげ けいじろう)

佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。

現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。

奨学金の役割と注意点

奨学金は、進学に必要な費用を一時的に補てんするためのもので、進学の夢を実現するための大きなサポートとなります。
 
ただし貸与型奨学金の場合は、将来的に返還が必要となる借金となることも理解しなければなりません。貸与型奨学金を利用する際には、返還計画をしっかりと立て、卒業後の収入や生活費を考慮に入れた無理のない返還計画を立てることが重要です。
 

返還方法(所得連動返還方式と定額返還方式)について

貸与型奨学金の返還方法には、「所得連動返還方式」と「定額返還方式」があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分の将来の収入見込みやライフプランに合わせた選択が求められます。
 
所得連動返還方式は、収入に応じて返還額が変動するため、収入が少ない時期には返還額が少なくて済みます。これは、就職直後や育児休業中など収入が不安定な時期においても、無理のない返還が可能になる点がメリットです。一方、デメリットとしては、収入に応じて返還額が決まるため、将来の計画が立てにくいことが挙げられます。
 
一方、定額返還方式は、毎月一定額を返還する方式です。返還額が一定であるため、計画的に返還しやすく、完済のめどが立てやすいというメリットがあります。しかし、収入が少ない時期でも一定額の返還が求められるため、経済的に厳しい状況に陥る可能性は所得連動返還方式よりも高くなります。
 

将来のライフプランを考えてみよう

奨学金を借りる際には、将来のライフプランを考えることが非常に重要です。進学後の職業選択や今後の収入の見込み、結婚や子育て、マイホームの購入など、人生の大きなイベントを見据えて計画を立てる必要があります。
 
奨学金の返還は長期間にわたることが多いため、無理のない返還計画を立てることが、将来安定した生活を築くための鍵となります。また、奨学金の返還が滞った場合には、信用情報に影響が及ぶ可能性があるため、返還計画の見直しや専門機関への相談も検討する必要があります。
 

最後に

奨学金は、進学を希望する多くの学生にとって、大きな助けとなる制度です。
 
しかし、貸与型奨学金を利用する際には、将来的に返還が必要であることをしっかりと理解し、無理のない返還計画を立てることが重要です。 所得連動返還方式と定額返還方式のメリットとデメリットを理解し、自分のライフプランに合った返還方法を選択することで、比較的安心して学業に専念することができるでしょう。
 
進学を考える全ての学生が、奨学金制度を有効に活用し、夢を実現できることを願っています。
 

出典

日本学生支援機構 奨学金事業への理解を深めていただくために 〔奨学金事業に関するデータ集〕
独立行政法人日本学生支援機構 返還方式について(定額返還方式・所得連動返還方式)
 
執筆者:廣重啓二郎
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

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