「もしも」の話ですが、大型の車を買って車内に住んだ場合、生活費はどの程度になるでしょうか?
配信日: 2024.06.21
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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車の中で長期間生活するには
ここでは、キャンピングカーのような、設備の整った車以外で生活することを前提とします。
車の中で生活するために新車を購入する場合は、購入代金がかかります。新車は100万円台からありますが、ここでは300万円程度の大型の車を購入すると仮定します。
車を停める場所は、原則として自分が所有する土地以外は不可能と考えましょう。自分の土地なら法的な問題はありませんが、他人の土地に無断で停めたら不法侵入になります。
かといって、有料駐車場では、仮眠を取るくらいしかできません。高速道路のサービスエリアの駐車場も、朝まで寝るくらいなら許してもらえますが、それ以上は無理と考えたほうがよさそうです。
自分が所有する土地であっても、長期間車の中で生活すると、近隣から苦情が来たり、不審者扱いされ通報されたりするおそれがあります。
また、車内での長期間の生活は、エコノミークラス症候群で死亡するリスクが高くなるため、現実的に難しいです。
車内で長期間生活するには、以下のような諸費用がかかります。
●新車購入費 = 300万円
●食費
2200円 × 30日 = 月6万6000円以上
●銭湯代
520円 × 15日 = 月7800円
●ヘアカット代
4500円 × 1回 = 月4500円
●洗濯代
500円(洗濯と乾燥)×月10回 = 月5000円
それぞれ、詳しく見てみましょう。
食費
車の中で生活する場合、食事は原則として外食かコンビニ弁当になります。自分の所有する土地に車を停めているので、キャンプ用の自炊用具を持ち込むことで自炊も可能です。
しかし、たとえ自分の土地であっても、屋外で火を使うと近隣から苦情が来たり、通報されたりするおそれもあるため、自炊は難しいでしょう。
1日の食費は、おおよそ以下のようになります。
●朝食代 300円(コンビニのサンドイッチなど)
●昼食代 700円~1000円(コンビニ弁当あるいは外食)
●夕食代 700円~1500円(コンビニ弁当あるいは外食)
また、お茶やコーヒーなどの飲み物や、人によってはタバコ、酒などの費用もかかります。仮に、飲み物代が1日500円かかるとすると、1日の食費は最低でも2200円必要です。
2200円 × 30日 = 6万6000円
車の中で生活した場合、食費代は月に6万6000円かかるのです。
銭湯代
車での生活だと、風呂は銭湯に行くことになります。銭湯料金は東京都の場合、大人1人約520円かかるでしょう。
1日おきに銭湯に行くなら、月に以下のお金が必要です。
520円 × 15日 = 7800円
車内で生活していても、月に一度くらいは髪をカットします。男性の場合、カットやシャンプーを含めたフルコースで、1回当たり4500円程度かかります。
4500円 × 1回 = 4500円
また、車内での生活では、洗濯はコインランドリーを使うことになります。3日に一度コインランドリーで洗濯する場合、10㎏以内の洗濯物を洗うのに約400円、乾燥機を使うと12分で約100円かかります。
500円(洗濯と乾燥)×10回 = 5000円
エアコンは長時間使用できない
猛暑だと一晩中エアコンをつけるのは普通ですが、車内で生活するならエアコンは長時間使用できません。
寝ている間にエアコンをつけるには、車をアイドリング状態にしないといけないからです。一晩くらいなら、朝までエンジンをかけっぱなしでも問題ないでしょう。しかし、連日となるとエンジンに強いダメージを与えることになるので、おすすめできません。
また、冬に雪が積もる地域で一晩中エアコンをつけると、マフラーが雪に埋もれて車の下から排気ガスが車内に侵入し、一酸化炭素中毒を起こすので注意が必要です。車の中で長期間生活する場合は、基本的にエアコンが使えないので、暑さ寒さを我慢して生活することになるでしょう。
出典
警察庁 侵入犯罪とは?
東京銭湯 入浴料金のお知らせ
厚生労働省 エコノミークラス症候群の予防のために
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー