あなたは、お金に働かせて稼ぎますか？　それとも自ら働いて稼ぎますか？

投資も投機（ギャンブル）も、お金持ちの道楽のように受けとめられています。
 
生活資金に困らないお金持ちは、余剰資金を投資に回しては、新たなお金を稼ぎます。投資はお金に働かせて、お金を生み出すもの。一方、われわれ一般人は自らが働いて、お金を稼ぎます。
 
投資や投機というと拒否反応を示し、耳を貸そうとしない一般人とは反対に、お金持ちは上手い投資話にのった被害が後をたちません。世の中で投資の危険性がいくら叫ばれても、事件は繰り返されます。
 

　投資より投機の方が楽しい!?

投機やギャンブルは、利益を求めるというより、運試しに賭けて当たるか外れるかワクワク、ドキドキを楽しむゲームです。
 
競馬、競輪、パチンコなど、元が取れるはずがなくても、興奮する楽しい時間が過ごせたと割り切れます。勘や経験、風水、迷信、語呂合わせなど、ほとんど科学的根拠のないところで判断します。
 
例えば、宝くじの期待値は50％以下と言われています。平均すれば、1万円払っても5千円以下しか戻らないのです。それが現実なのですが、「自分は今運が良いので、3億円当たる」と都合よく考えて購入します。外れたとしても、「今は期待したほどの運がなかった」「当たると思い楽しめたから、それで良い」とあきらめがつきます。
 
一方、投資は少しでも儲けるために資金を投じるものです。株など価格が変動するものにお金を投じますので、増えることもあれば減ることもあります。お金を投じている間、減るんじゃないかとびくびくしています。
 
人間は本能的に、危険に対して敏感ですから、損失が発生してくれば落ち着きを失い、さらに損失が自分の想定外になれば、パニックに陥ります。それでも、やがて大きく成長することを信じて、現状の苦しさを耐え忍びます。投資には忍耐と辛抱が長期に渡り求められるので、投機のような楽しさはありません。
 

投資は積立でコツコツ

投機と投資はちがうものですが、例えば関連銘柄にまとめて資金をつぎ込もうとする姿は、どこかルーレットに賭ける姿と似ており、ほとんど投機です。
 
株式などを一度に購入する一括投資は、投資した以降の価格の高低が収益に直接影響を及ぼします。投資した時点より上昇すれば利益が得られ、下落すれば損失が発生します。常に底のタイミングで投資することは、神業に近いでしょう。
 
投機にならないためには、一括投資ではなく定期定額投資をすることです。毎月1万円ずつ株を購入するといった、積立投資です。
 
「ドルコスト平均法」という方法があります。変動する市場に毎回定額の資金を投じ、市場の相場が高いときには少量購入し、下落しているときには多く購入する形です。つまり、価格が高いときにたくさん買わずにすみ、価格が安いときにたくさん買えるということです。
 
ドルコスト平均法では、自動的に定額で買い付けを行います。人の感覚や先入観に左右されず、機械的に購入していきます。定期定額購入の投資方法は、投資として合理的なだけでなく、人の精神的な揺らぎを抑えるのにも有効な方法と思われます。
 
Text：手塚　英雄（てづか　ひでお）
有限会社テヅカプラニング　代表
CFP(R)認定者　1級ファイナンシャルプランニング技能士　証券外務員