更新日: 2024.06.26 その他暮らし

団地の共有スペースを「自宅の駐車場」のように毎日使用する隣人。やめてもらうことはできるのでしょうか?

団地の共有スペースを「自宅の駐車場」のように毎日使用する隣人。やめてもらうことはできるのでしょうか?
団地には「共有スペース」とよばれる部分があり、この部分は団地の住人が共有で使うことができます。
 
例えば、共有スペースに毎日車を停めている住人がいる場合、その行為に問題がないのか、それともやめさせることができるのか、迷う方もいらっしゃるでしょう。本記事では、団地の共有スペースに関する法律上の決まりや、団地の使用ルールの確認方法などを詳しくご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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団地における共有スペースとは?

集合住宅である団地には「専有部分」と「共用部分」があります。この2つは「自分に所有権があるかどうか」で判断することになるため、各住戸の室内は専有部分に該当します。一方の共用部分は専有部分以外を指し、基本的に団地の住人全員が共同で使用することが可能です。
 
また、共用部分は「法定共用部分」と「規約共用部分」に分けられます。法定共用部分は廊下や階段・エレベーター・外壁など、構造上、共用することになる部分のことをいいます。一方の規約共用部分は、団地の管理組合などが定めた規約による部分のことです。
 

団地の共有スペースは自由に使ってよいのか?

共有部分の使用方法については「建物の区分所有等に関する法律」の第13条で「各共有者は、共用部分をその用方に従つて使用することができる」とされており、同6条では「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」と定められています。
 
つまり、団地の共有スペースを自宅の駐車場のように毎日使用する行為は「用方に従って使用している」とはいえないため、共同利益違反に該当すると考えられます。共同利益違反とは「建物の保存、管理又は使用に関し有害な行為」のことです。
 
共有スペースであっても、この行為に該当すると考えられるときは、使用が禁止される可能性があるでしょう。
 

団地の使用ルールは何によって決められているのか?

具体的にどのような行為が禁止となるのか、共有スペースの使用ルールについては団地の管理規約によって決められています。
 
管理規約とは、住人が快適に暮らせるように団地の管理や使用に関するルールを定めた規約のことです。管理規約は、国土交通省が作成した「マンション標準管理規約(団地型)」を指針として、管理組合によって作成されるのが一般的です。
 
共有スペースに毎日車を停めている隣人がいる場合、まずは具体的な状況を明らかにしましょう。「何時から何時まで車を停めているのか」「その行為によってほかの住人が共有スペースを使用できなくなっているか」などを確認したうえで、団地の管理組合や管理会社などに相談することをおすすめします。
 

共有スペースに毎日駐車する行為をやめさせることは可能?

団地の共有スペースには住人に専用使用権がないため、駐車をやめさせられる可能性があるでしょう。
 
「建物の区分所有等に関する法律」の第57条では「共同の利益に反する行為の停止等の請求」、第58条では「使用禁止の請求」について定められている通り、共同利益違反に該当すると判断された場合は、共有スペースの明け渡し請求が可能であると考えられます。
 
管理組合や管理会社から注意してもらうことをおすすめします。
 

共有スペースの使い方によっては共同利益違反に該当するおそれがある

団地の共有スペースは「住人であれば誰でも自由に使ってよい」というイメージがあるかもしれませんが、使い方によっては共同利益違反に該当するおそれがあります。また、団地の管理規約でも共有スペースの使い方についてルールが定められている可能性があるため、まずは確認してみることをおすすめします。
 
共有スペースを自宅の駐車場のように毎日使用する行為はやめさせることが可能な場合もあるため、まずは具体的な状況を確認したうえで団地の管理組合などに相談してみるとよいでしょう。
 

出典

e-Govポータル 建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号) 第一章 建物の区分所有 第一節 総則 第六条(区分所有者の権利義務等)、第二節 共用部分等 第十三条(共用部分の使用)、第七節 義務違反者に対する措置 第五十七条(共同の利益に反する行為の停止等の請求)、第五十八条(使用禁止の請求)
国土交通省 マンション標準管理規約(団地型)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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