更新日: 2024.06.28 その他暮らし

隣人が庭でごみを燃やして「たき火」をしているようです。洗濯物を干せず困っているのですが、どうしたらいいでしょうか?

隣人が庭でごみを燃やして「たき火」をしているようです。洗濯物を干せず困っているのですが、どうしたらいいでしょうか?
近年のキャンプブームから、自宅の庭でたき火を起こして料理に使うケースもあるようです。なかには燃料がわりに不用品のなかから燃えやすいものをたき火に入れる方もいるかもしれません。
 
たき火は煙や臭いを伴うため、迷惑に思う近隣住民もいるでしょう。また、風が強い場合には、火災のリスクも心配です。今回は、隣の住宅でたき火をしている場合の法的な取り扱いについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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ごみの焼却処分は法律違反

ごみの焼却処分は廃棄物の処理及び清掃に関する法律において禁止されている行為です。同法第16条の2によると、以下の方法による場合を除き、何人も廃棄物を焼却してはならないとしています。


・一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物処理基準に従つて行う廃棄物の焼却
・他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却
・公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの

今回のケースは同法に違反している可能性があります。
 

違反すると罰則が科せられるおそれも

廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の2に違反すると、同法第25条により、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、あるいはその両方が科せられるおそれがあります。
 
ごみの野外焼却は火災の可能性もおおいにあり得る危険な行為であるため、軽い気持ちで行うのは厳禁です。住宅密集地だと火が近隣住宅に燃え移るリスクも高いため、見つけた場合はすぐに消防署へ連絡しましょう。
 

野外焼却禁止の例外とされるケース

野外焼却は原則として認められていませんが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第14条によると、以下のケースは例外とされています。


・国又は地方公共団体がその施設の管理を行うために必要な廃棄物の焼却
・震災、風水害、火災、凍霜害その他の災害の予防、応急対策又は復旧のために必要な廃棄物の焼却
・風俗慣習上又は宗教上の行事を行うために必要な廃棄物の焼却
・農業、林業又は漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却
・たき火その他日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であつて軽微なもの

上記の行為は焼却禁止の例外とされていますが、野外焼却を推奨するものではないため、注意してください。
 

たき火自体は法律で禁じられていない

たき火に関しては前述の廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令より、「たき火その他日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であつて軽微なもの」として野外焼却禁止の例外とされていますが、「周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である」ことが大前提です。
 
今回のように近隣住民が洗濯物を干せないほど煙や臭いが拡散している場合や、家庭ごみを混ぜて燃やした場合などは違法となる可能性は高いと考えられます。
 

野外焼却は法律で禁止されている。不安なときは消防署へ連絡を

ごみの焼却は廃棄物の処理及び清掃に関する法律で禁じられていますが、軽微なたき火は法律上禁止されているわけではありません。
 
しかし周辺に燃え移りやすいものがあったり、火のついた破片が風によって洗濯物や家屋に着火するおそれもあります。少しでも不安を覚える場合は火災が起きる前に消防署へ連絡しましょう。
 

出典

e-Govポータル 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号) 第四章 雑則 第十六条の二(焼却禁止)、第五章 罰則 第二十五条
e-Govポータル 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号) 第六章 雑則 第十四条(焼却禁止の例外となる廃棄物の焼却)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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