7月から「新札」になるって本当ですか? 実感がないのですが「福沢諭吉」の一万円札はもう使えなくなるのですか? そもそもなぜ新札に変わるのでしょうか…?

配信日: 2024.06.29

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7月から「新札」になるって本当ですか? 実感がないのですが「福沢諭吉」の一万円札はもう使えなくなるのですか? そもそもなぜ新札に変わるのでしょうか…?
2024年7月3日から一万円札、五千円札、千円札が新札に変更されます。ただ、新札が導入されると「今まで使っていた福沢諭吉の一万円札などは使えなくなるのではないか」「どうしてお札が新しくなるのか」と思う人もいるかもしれません。
 
本記事では、このタイミングで新札が登場する理由や、現行紙幣からのデザインの変化、これまでの紙幣は今までどおり使えるのかなどを説明します。
山根厚介

執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

そもそもなぜ新札になる?

紙幣や硬貨が新しくなる最大の理由は偽造の防止です。紙幣はおおむね20年ごとにデザインが変更されており、その際に最新の偽造防止技術が取り入れられています。
 
現行の紙幣は2004年に発行されており、それから現在までの間に民間の印刷技術が大きく進歩していることから、今回の変更につながりました。また、目が不自由な人や外国人などにも分かりやすいようなデザインが求められる傾向にあることも変更の理由です。
 

新札はどのような感じ?

今回の変更では、一万円札、五千円札、千円札が変更されます。デザインの比較は図表1のとおりです。
 
図表1

図表1

日本銀行 「日本銀行券の改刷および500円貨の改鋳について」から筆者作成
 
どの紙幣にも、新しい技術として高精細すき入れ、3Dホログラムが導入されています。
 
高精細すき入れは、現在の紙幣でも採用されているすき入れを高精細にしたものです。すき入れとは光に透かすと肖像などが見えるもので、新紙幣では肖像の周囲に緻密な模様が入れられています。3Dホログラムは、見る角度によって肖像が回転する技術で、紙幣への採用は世界初です。
 
また、お札を傾けると文字が見える潜像模様や、虫眼鏡で見ないと判別できないマイクロ文字など、現行の紙幣で導入されている技術も、引き続き採用されています。
 

これまでのお札は使えなくなる?

新札の登場で、これまでの紙幣が使えなくなるのではないかと心配する人がいるかもしれません。しかし、これまでの紙幣も今までどおり使えます。
 
基本的に一度発行された紙幣や硬貨は、法律による特別な措置がとられない限り使えなくなることはありません。そのため、例えば明治時代に発行が開始された武内宿禰の一円札も、1円として有効です。
 
紙幣や硬貨が使えなくなる措置がとられたことは、1953年(昭和28年)に行われた1円未満の小額通貨の整理など、明治以降で3回しかありません。そのため、福沢諭吉の一万円札も当分の間は安心して使えるでしょう。
 
ただし、旧紙幣は今後自動両替機などに対応できなくなる可能性があるほか、ときには偽札だと勘違いされてしまうリスクもあります。機会があれば新札への交換をおすすめします。
 

まとめ

偽造防止等の理由によって、紙幣は約20年ごとに新札に変更されます。新札では、一万円札が福沢諭吉と鳳凰像のデザインから渋沢栄一と東京駅に変わるなど、見た目が大きく変わります。また、3Dホログラムなど最新の偽造防止技術が盛り込まれていることも大きな変化です。
 
これまで使っていた福沢諭吉の一万円札などは引き続き使用できますが、自動両替機に対応できなくなる可能性などのデメリットがあるため、機会があれば交換したほうがよいでしょう。
 

出典

財務省 なぜ紙幣や貨幣のデザインを変えるのですか
日本銀行 これまでに発行されたお札のうち、現在使えるお札はどれですか? 古いお札を持っていますが、現在も使えますか?
 
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士

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