引っ越し先で車が「歩行者」に道を譲らずビックリ! これって“法律違反”じゃないんですか? 横断歩道は「歩行者優先」だと思うのですが…
配信日: 2024.07.03
今回は「引っ越し先で横断歩道を渡ろうとしていた歩行者がいるにもかかわらず、車が譲っていなかったのを見た」というケースです。もしこのような状況の場合、車の運転者はどうなってしまうのか、本記事で解説します。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
信号のない横断歩道で歩行者に道を譲らないと違反
「これって法律違反じゃないの?」という質問のとおり、自動車が信号のない横断歩道で歩行者に道を譲らないと交通違反となります。横断歩道を渡る、渡ろうとする歩行者に道を譲る行為は、特定の地域だけでおこなわれている「ローカルルール」ではなく、法律で定められた守るべきルールです。
なお、違反の正式名称は「横断歩行者等妨害等違反」で、普通車の場合は9000円(二輪車は7000円)、違反点数は2点の加点となります。
横断歩道等における交通ルールを再確認
改めて、横断歩道を通過する車と渡ろうとする歩行者が守るべき交通ルールを、それぞれの視点から再確認してみましょう。
運転者が守るルール
車を運転していて横断歩道や自転車横断帯に近づいたときは、横断する人や自転車がいないことが明らかな場合のほかは、その手前で停止できるように速度を落として進む必要があります。
信号のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしているときは、歩行者が安全に渡れるよう車を停止し、歩行者が渡り終わるまで待たなければなりません。すでに歩行者が横断歩道を渡っているときも同じく、横断歩道(または停止線)の手前で一時停止をして歩行者に道を譲る義務があります。
歩行者が守るルール
当たり前のことですが、歩行者は横断歩道を渡らなければなりません。横断歩道がないところを渡ろうとするのはもちろんルール違反です。なお「歩行者横断禁止」の標識のあるところでは横断をしてはいけません。
ガードレールのあるところでの横断や、道路を斜めに横断することも極めて危険です。一部の人は「道路の横断は歩行者が優先」というルールを勘違いし、横断歩道でないところでも渡ろうとする人がいますが、絶対にやめましょう。
数年前に著名人が横断歩道でない道を横断しようとして車と接触、死亡したという事故がありました。このようなことが起こらないよう、遠回りになってしまったとしても横断歩道や歩道橋を渡りましょう。
歩行者も自動車も交通ルールを守ろう
安全な交通を実現するためには、自動車だけでなく歩行者もルールを守る必要があります。ひとりの勘違いや自分勝手な行動により、悲惨な事故が起こる可能性だって十分にあるのです。「警察が見ていないから大丈夫」ではなく、何か起こっては大変だ、という危機意識を持って車に乗ったり横断歩道を渡ったりしましょう。
出典
警察庁 横断歩道は歩行者優先です
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
警視庁 交通違反の点数一覧表
執筆者:宇野源一
AFP