「本州縦断」vs「北海道一周」かかる距離はほぼ同じ!? 車でまわる場合に必要な「時間・費用」もあわせて検証
配信日: 2024.07.06
今回は、1人で自動車を使用した場合の「本州(太平洋側)縦断旅行」と「北海道一周旅行」について、それぞれの移動距離、必要期間、費用などをシミュレーションしてみます。
執筆者:山田圭佑(やまだ けいすけ)
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント
長距離旅行の1日をシミュレーション
旅行者の体力や、旅行に使用する車両によっても1日の使い方は変わります。今回は長距離運転に無理が生じないように、以下の条件を順守するというルールを設けます。
・運転1時間のうちに「10分」の休憩を取ること
・1日に「6時間」は観光・生活行動のために運転しない時間を作ること
・夜間は「8時間以上」休息をとること
具体的には、旅行中の1日は次のようなスケジュールで進めることを基本とし、車中泊は行わないものとします。
7時~ 起床、朝食など
8時~ 移動・観光
10時~ 観光・昼食
13時~ 移動
16時~ 観光・夕食
19時~ 移動
22時~ 宿に到着、就寝
1日の中で移動に使えるのは、8時間-80分(運転中の休憩時間)=6時間40分が限度となります。
「本州縦断旅行」と「北海道一周旅行」で立ち寄りたい場所は?
長距離旅行中に立ち寄りたい観光地などは旅行者によって異なりますが、今回シミュレーションする「本州縦断旅行」と「北海道一周旅行」では、基本的に海沿いのコースをたどりつつ、以下の市町村には必ず立ち寄ることを前提とします。
「本州縦断旅行」
青森市(スタート)→八戸市→久慈市→宮古市→釜石市→気仙沼市
→石巻市→塩釜市→仙台市→相馬市→いわき市→日立市→水戸市
→かすみがうら市→銚子市→九十九里町→木更津市→川崎市
→東京都心→横浜市→鎌倉市→小田原市→熱海市→富士市→静岡市
→浜松市→豊橋市→名古屋市→四日市市→津市→奈良市→大阪市
→神戸市→姫路市→岡山市→福山市→広島市→廿日市市→岩国市
→周南市→宇部市→下関市(ゴール)(42地点)
「北海道一周旅行」
新千歳空港(スタート)→札幌市→石狩市→増毛町→苫前町
→稚内市→猿払村→枝幸町→紋別市→佐呂間町→網走市→羅臼町
→表津町→根室市→厚岸町→釧路市→浦幌町→帯広市→えりも町
→新ひだか町→日高町→苫小牧市→登別市→室蘭市→洞爺湖町
→八雲町→函館市→松前町→江差町→せたな町→島牧村→岩内町
→入舸町→小樽市→新千歳空港(ゴール)(35地点)
観光施設などへの入場料・駐車料金などは、今回のシミュレーションでは考えないものとします。
「本州縦断旅行」「北海道一周旅行」にかかる時間・費用は?
その他のシミュレーションに必要な条件は以下の通りとします。
・すべて「Googleマップ」によるシミュレーションに従う
・1日最大の運転時間を「6時間40分」までとし、次の目的地に移動する場合にそれをオーバーするようであれば、手前の目的地で1泊する
・食費・宿泊費は「1日当たり1万5000円」とする。
・ガソリン代は、1リットル当たり180円(税込)とし、燃費が1リットル当たり15キロの車で移動すると考える(移動距離1キロ当たり、ガソリン代12円)
・高速道路料金は、普通車料金(ETC使用)を適用する
以上の条件でシミュレーションをした結果、それぞれの旅程・費用は図表1・図表2の通りとなりました。
図表1
筆者作成
図表2
筆者作成
それぞれの旅行の、のべ移動距離・移動時間・費用などをまとめると、以下のようになります。
「本州縦断旅行」
のべ移動距離:2279.2キロメートル
のべ移動時間:41時間28分
旅行期間:6泊7日
ガソリン代:2万7350円
高速料金:3万2610円
食費・宿泊費:9万円
合計:14万9960円
「北海道一周旅行」
のべ移動距離:2221.4キロメートル
のべ移動時間:41時間25分
旅行期間:6泊7日
ガソリン代:2万6657円
高速料金:3680円
食費・宿泊費:9万円
合計:12万337円
旅行期間、移動距離、移動時間、ガソリン代はあまり変わりませんが、北海道一周旅行は高速料金がほぼかからない分、3万円近く費用が安くなるという結果でした。
まとめ
今回のシミュレーションにおける「本州縦断旅行」と「北海道一周旅行」は、ともに6泊7日の旅程、移動距離が2200キロ台、移動時間が約41時間30分程度であるという結果になりました。
また、本州縦断旅行にかかる全体の費用は約15万円である一方で、北海道一周旅行の場合はほとんど高速料金がかからないため、全体の費用は約12万円に抑えられることもわかりました。費用面だけで考えれば、北海道一周旅行のほうがリーズナブルであるといえるでしょう。
今回シミュレーションした旅程は、両方ともかなり駆け足のスケジュールになっています。実際に旅行を計画し、観光などに十分な時間を取りたい場合は、さらに2~5日程度、旅行日程を延長する必要があるでしょう。夏休みに長距離旅行を計画している人は、体調に十分注意をしつつ、日程に余裕を持って臨んでください。
執筆者:山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント