【入院中の食費】大部屋に30日間入院し、高額療養費制度を使っても請求額は20万円でした。病院の食事に「1食400円」は高いでしょうか?

配信日: 2024.07.05 更新日: 2024.07.10

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【入院中の食費】大部屋に30日間入院し、高額療養費制度を使っても請求額は20万円でした。病院の食事に「1食400円」は高いでしょうか?
病気やけがで入院になってしまうと、費用は一気に高くなります。治療費や部屋代など入院などの内容にもよりますが、基本的には大きな出費になってしまいます。
 
特に、入院費のなかでも一番高いと感じたものは、入院中の食事代と考える人もいるでしょう。そこで本記事では、そもそも入院中の食事代は高いのかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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入院中の食費は高い?

まずは、入院中の食費が高いのかを見ていきましょう。厚生労働省の「入院時の食費について」によると、病院給食の委託単価は年々上昇しています。
 
委託単価を比べた場合、2018年は1796円だったのに対し、2022年は1997円に値上がりしており、差額は201円です。公定価格の1920円と比べると、2018年では124円安く提供されていたものが、2022年には公定価格を超えて77円も高くなっていたことが分かりました。
 
入院中の食費が年々上昇している理由に、食材の高騰が挙げられます。食材の高騰は仕入価格に大きく影響し、病院で大量の食事を提供するために値上げせざるを得ない状況となっているのです。
 
たとえ数円でも、入院日数が多くなればなるほど負担額は多くなりますが、外食で1日2000円と考えれば、今回の1食400円で1日1200円の価格設定は良心的だといえます。もっとも、食材の高騰が続く以上、入院中の食費も上がり続けると考えていいでしょう。
 

高額医療費制度とは?

入院は金銭的に大きな負担となりますが、高額医療費制度を利用すれば支出を減らすことができます。高額医療費制度は国が定めている制度の一つで、医療機関や薬局で払う医療費が1ヶ月で上限を超えた場合に超えた分の金額を国が負担してくれるというものです。
 
上限額は年齢や所得に応じて変わるため、個人によって差があります。例として、70歳未満の上限額は図表1のとおりです。
 
図表1

所得区分 自己負担限度額
(1)標準報酬月額83万円以上の方
報酬月額81万円以上の方
25万2600円+(総医療費-84万2000円)×1%
(2)標準報酬月額53万~79万円の方
報酬月額51万5000円以上、81万円未満の方
16万7400円+(総医療費-55万8000円)×1%
(3)標準報酬月額28万~50万円の方
報酬月額27万円以上、51万5000円未満の方
8万100円+(総医療費-26万7000円)×1%
(4)標準報酬月額26万円以下の方
報酬月額27万円未満の方
5万7600円
(5)被保険者は市町村民税の非課税者など 3万5400円

全国健康保険協会の「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」を基に筆者が作成
 
所得が高いほど負担は増えますが、医療費が高額になったとしても上限金額までの支払いで済みます。高額な治療を受ける予定や入院の予定がある場合は、必ず高額医療費制度を申請しておきましょう。
 

食費以外で入院費を抑える方法

食費は金額が決まっているので節約は難しいでしょう。ここでは、食費以外で出費を抑える方法を紹介します。
 

ベッド代を抑える

大部屋と個室では、ベッド代が変わります。個室の方が金額は高くなるため、入院費を抑えるならベッド代を考えましょう。個室と大部屋はそれぞれにメリットとデメリットがあるので、どちらのデメリットだったら妥協できるのかを考えることが大切です。
 

医療費控除を利用する

医療費控除は、所得税が控除される仕組みの一つです。1月1日~12月31日までに支払った医療費が一定額を超えた場合に、算出した金額で所得控除を受けられるものです。
 
医療費控除は個人で払った医療費だけでなく、家族で医療費を多く支払った場合も合算して税金を抑えることができます。1年間で払った金額が必要なので、病院の領収書は必ず取っておくようにしましょう。
 
また、医療費控除ではなくセルフメディケーション税制の利用も可能です。例えば、薬局で市販薬を買っていて、1年間で1万2000円を超える場合は所得控除の対象となります。
 
セルフメディケーション税制の対象商品は決まっているため、該当するかどうかは、厚生労働省の「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について」を確認しましょう。
 
また、確定申告の際にまとめて確認するために、購入したレシートは取っておくようにしましょう。
 

入院費は食費以外で抑えよう

入院費は、国の制度を利用しつつお金がかからない方を選ぶことで支出は抑えられるでしょう。もっとも、入院費を重視するあまり精神的なダメージを負ってしまうようでは意味がありません。自分の精神状況と相談しながら、無理のない治療をしていきましょう。
 

出典

厚生労働省 入院時の食費について
厚生労働省 高額医療費制度を利用される皆さまへ
全国健康保険協会 協会けんぽ 高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
 
※2024/7/10 記事を一部修正いたしました。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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