更新日: 2024.07.08 その他暮らし
梅雨の時期は要注意!「屋根を点検させてください」→とんでもない“高額請求”される詐欺かも!?「点検商法」について解説
このとき、簡単に申し出を受け入れると「詐欺」に遭う可能性があります。梅雨のこの時期は、こういった「点検」を装った詐欺が増える時期でもあるのです。本記事では、法外な請求をする詐欺や悪質業者から身を守る方法を紹介します。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
その飛び込み営業、「点検商法」かも
「屋根に不具合がある」「無料点検をしている」などと言って訪問し、床下や屋根の点検をしたあとで修理の必要がないのに必要性を訴える、もしくは法外な価格で工事契約をしようとする手口を「点検商法」と言います。
点検商法では、あたかも正規の点検のフリをして家庭を訪問し、言葉巧みに不必要なリフォーム工事や法外な価格の商品交換、駆除作業などを強引に契約に持ち込もうとします。警視庁でもこの点検商法の注意喚起をしており、被害者は少なくありません。
災害後は特に点検商法に注意
点検商法の事例としては次のようなものが挙げられます。
・屋根の点検をして、瓦が落ちそう、雨漏りの危険があるなどと訴える
・床下の点検をして土台の木が腐っていると伝える
・布団クリーニングの無料点検をして湿気や虫の疑いを訴え、布団や除湿剤購入を迫る
・エアコンや換気扇の点検をおこない、クリーニングや高いコーティング代を請求する
また、地震災害に見舞われたことのある地域では「地震の影響で家が傾いている」「屋根が壊れかかっている」と、災害に便乗した事例もあります。過去に地震に遭った地域の人は特に注意してください。
こんな言葉に要注意
点検商法の被害に遭わないためには、いくつか注意したいポイントがあります。まず、アポイントもなしにいきなり「点検させてほしい」と訪問してくる業者には注意しましょう。マンションなどの集合住宅の場合は、管理者が点検予定の日時を事前に知らせてくれることも多いので、点検の予定を日ごろから確認することも大切です。
また、詐欺師は身分を明らかにしたがらないことが多いので「名前を名乗らない」「名刺をくれない」というのもポイントの1つになるでしょう。
加えて筆者の経験になりますが、いままでに住宅トラブルで給湯器の点検やシロアリの点検を業者に依頼したところ、忙しくて予約がいっぱいと断られた業者が多くありました。もちろん地域や時期、業者にもよると思いますが、日々の予約済みの業務が忙しく、そもそも飛び込み営業をしている業者はあまりない印象を受けます。「飛び込み営業は基本的に疑う」ようにしてもやりすぎではないでしょう。
「点検商法かな」と思ったら
「点検をしたい」と訪問され「話があやしい」と感じたら、その場で点検を承諾したり契約したりすることは絶対にやめましょう。名刺をもらえたとしても身分を偽っていることもあるので、本当にその従業員が在籍しているのか、業者は存在しているのかを電話で確認してください。
また、リフォーム会社は地域に根差していることが多いので、他県市外ナンバーの場合は注意しましょう。国土交通省では、安心できるリフォーム業者の検索ができるサイトも用意されているので、依頼時にはそちらを利用することもおすすめです。
さらに、契約に関しても複数社から見積もりを取った上で慎重に検討することで、他社の意見も聞くことができ適正価格を知ることもできます。このような点検商法に関する相談・ホットラインが設置されているので、心配な場合は最寄りの警察署や、図表1の機関に相談するのもいいでしょう。
図表1
警視庁 点検商法を基に筆者作成
もし業者の押しに負けて不本意な契約をしてしまった場合は、8日以内ならクーリング・オフ制度を利用して契約を解除することもできるので覚えておくと安心です。
すぐには契約をしない! まずは落ち着いて家族や知人に相談を
突然の訪問で点検をおこないリフォームを持ちかけられた場合、一度は疑うようにしましょう。点検商法をおこなう業者の中には、法外な契約をするだけでなく、こっそりと屋根を壊して修理が必要だと言う悪質な集団もいます。もちろんすべての飛び込み営業が詐欺であるとは限りませんが、このようなケースもあると知っておくことは必要です。
しかし悪質な業者に狙われた場合、見えないところで家を壊されたり、強引な契約をしようとしてくることもあります。このような被害に遭わないために「点検させてください」と言われても、むやみに家に上げず、身分を明らかにしてもらったあとで改めて日時を設定してから依頼するようにしてください。
点検や契約をするときは信頼できる家族や友人に相談したり、当日立ち会ってもらうのもおすすめです。梅雨の時期に増える「点検商法」、正しい知識を持って毅然とした態度をとるようにしましょう。
出典
警視庁 点検商法
独立行政法人 国民生活センター クーリング・オフ
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級