納車直後の「新車のランクル」を売ると儲かると聞きました。簡単に儲かるならチャレンジしてみたいのですが、なぜ“高く売れる”のでしょうか…?
配信日: 2024.07.17
今回は、新車を買った直後に売るともうかるという話について、実際のところどうなのか、注意点と合わせて解説していきます。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
新車のランドクルーザーを売るともうかる?
どんな車でも、新車購入直後に売ればもうかるというわけではありません。「希少車」でなければもうかる可能性は低いといえます。本ケースのトヨタの「ランドクルーザー」が儲かるかという話ですが、そういわれるのには「あまりにも長すぎる納期」が関係しています。
2024年7月16日現在、トヨタ自動車のWEBサイトには「ランドクルーザー300は現在ご注文を停止させていただいております」と書かれています。
結論からいうと、ランドクルーザーを転売目的で新車購入するのは現状不可能です。それもあって、中古車相場では新車価格730万円の「ZX 3.5L ガソリン車」が1000万円を超える価格で販売されています。中古車なのに新車の約1.3倍もの価格で取引されているということは、「プレミア価格がついていたとしても買いたい」人が多いということですね。
転売目的での新車購入は厳しい
ランドクルーザーに限らず、新車よりも高値で取引される「プレミア車」というのは存在します。もしこれらの車を「転売してもうけたい」という場合、いくつかの高いハードルを超えなければなりません。
ハードルの1つとして、「新車を買うためのディーラーでの審査」が挙げられます。審査というのは大げさかもしれませんが、一定期間転売しないことを誓約書にサインさせたり、物理的に転売できないようにディーラーの所有権がつく残価設定型クレジットのような買い方を強制したりしているディーラーもあると聞きます。
また、納期が長い車を注文し納車されるまでの間に、中古車相場が下落して利益が出なくなるというリスクも存在します。一般的に新車は納車直後にその価値が下落し、新車価格よりも数割低い価格で買い取られる傾向にあります。希少車であってもこのような事態になる可能性はあるので、一種のギャンブルといえるでしょう。
納期の長い車を買う場合の注意点
転売目的でなく、純粋に納期が長くても欲しいから待ちたい、という人もいるでしょう。ここでは納期の長い車を買う際の注意点を2つ紹介します。
待っている間に変更が生じる可能性がある
新車は、基本的に注文書に記載されている内容で購入することになります。車によっては「イヤーモデル」といって、毎年何らかの改良がなされるモデルもあります。長期化した納期によっては、その間にマイナーチェンジやフルモデルチェンジが行われ、希望している見た目やスペックなどとは変わってしまうこともあり得るでしょう。
そのような場合、すでに注文しているユーザーにどのような対応がされるかは、自動車メーカーやディーラーの判断に委ねられます。最悪の場合、新車であっても古い仕様の車になってしまう可能性がありますので、あらかじめディーラーに確認しておくことをお勧めします。
今乗っている車の価値が下がることも
今乗っている車を下取りに出す場合、車を査定した時よりも車の価値が下落する可能性も否定できません。そうなると頭金として充当されていた下取り車のお金を補填(ほてん)するかたちで現金を支払う可能性もあります。
ディーラーによっては、下取り価格はあくまでも参考価格とし、新車の納期が確定したら改めて査定をして価格を算出するところもあると聞きます。購入予定のディーラーがどのような対応をするのか、あらかじめ確認しましょう。
まとめ
新車を転売目的で買うことは、リスクの高い行為です。損失を被る可能性も高く、お勧めできません。本当に欲しい車であれば、希少車で納期が遅くても長期間待てるかもしれませんが、今乗っている車の価値の下落にも考慮する必要があります。購入を検討する際は複数の観点から考えるようにしましょう。
出典
トヨタ自動車株式会社 ランドクルーザー300
執筆者:宇野源一
AFP