更新日: 2024.07.18 子育て

3人目の子どもが生まれました。児童手当が増額されるので、児童手当を貯金するだけで3人を大学に通わせることができるでしょうか?

3人目の子どもが生まれました。児童手当が増額されるので、児童手当を貯金するだけで3人を大学に通わせることができるでしょうか?
2024年10月に児童手当が変わりますが、Aさん夫婦は3人目の子が生まれ、3人分の教育費が気になっているようです。Aさんのお子さんは、第1子は6歳、第2子は3歳で、これまで児童手当をすべて貯金してきました。
 
そこで本記事では、3人分の児童手当をすべて貯金すれば大学費用として足りるのか、児童手当改正の内容と大学費用への備えについて解説します。
前田菜緒

執筆者:前田菜緒(まえだ なお)

FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)

https://www.andasset.net/

児童手当の変更内容

2024年10月1日より児童手当の所得制限がなくなり、支給期間も中学生までから高校生までに延長されます。さらにAさんのように、子どもが3人いる家庭には第3子以降は支給額が月額3万円にアップします。子育て世代にとっては非常にありがたい内容ですが、3人目に対して高校卒業までずっと3万円が支給されるわけではありません。
 
その理由が子の数のカウント方法にあります。児童手当でいう「子」とは高校卒業までの子を指します。したがって第1子が19歳になると第1子は「子」でなくなり、第2子が第1子に繰り上がり、第3子が第2子に繰り上がるため、その時点で第3子は第3子でなくなり、支給金額は3万円から1万円になります。
 
しかし、今回の改正で18歳以降でも親が生計を負担しているなら、22歳までの子を「子」としてカウントすることになりました。
 
Aさんの場合、第1子が6歳、第3子が0歳です。第1子が22歳のとき、第3子は16歳ですから、それまで第1子に対して親が生活費を負担しているような状況であれば、第3子は16歳までは第3子としてカウントされ3万円支給されます。
 
第1子が22歳年度末を過ぎると子としてカウントされませんから、第2子が第1子に繰り上がり、第3子が第2子に繰り上がり、2人とも支給額は月額1万円です。
 

児童手当の総額はいくら?

ではAさんの場合、児童手当が総額でいくらになるのでしょうか。概算で計算してみましょう。
 

第1子:3歳まで1万5000円、3歳から高校卒業まで1万円 ⇒ 総額約200万円
第2子:3歳まで1万5000円、3歳から高校卒業まで1万円 ⇒ 総額約200万円
第3子:16歳まで3万円、16歳から高校卒業まで1万円 ⇒ 総額約600万円
(第1子が22歳まで親から生活費援助を受けていると仮定)

 
概算ではありますが、2024年10月から第1子と第2子は約200万円、第3子は約600万円受け取れると予想されます。
 
Aさんは児童手当を貯めれば大学に行けるか心配されていますが、大学費用は国立、私立文系・理系で金額が異なります。国立は約240万円、私立は450万~600万円ですから、第3子については児童手当で大学の費用をまかなえそうです。
 
一方、第1子と第2子については大学費用の目安を500万円とすると、その半分を児童手当でまかなえることになります。残り半分は、これから作らないといけません。しかし、まだ6歳と3歳ですからNISAも活用しつつ積み立てていくとよいでしょう。
(※ 今回は「大学無償化制度」等を加味していません)
 

大学以外の費用も考えておく

気になる点は、自宅外通学かどうかです。自宅外通学の可能性が高く、その分も前もって準備するなら児童手当だけでは足りないでしょう。前もって準備しないなら、そのときの収入から仕送りすることになりますが、それは可能なのか世帯年収から判断する必要があります。
 
一方、自宅外・自宅通学に関係なくかかるのが受験費用です。受験料は1校3万~3万5000円です。遠方へ受験に行くなら、旅費や宿泊費も考えないといけません。さらに受験対策として塾に行くことも考えるなら、なおさら計画性が必要です。
 
これら費用を考えるなら、大学費用に加えて50万~100万円は見ておきたいところです。Aさんの場合、お子さんが3人います。1人目では支出できても、3人目にもなると厳しくなることもあります。目標額を定め、後悔しないよう早目に計画的に準備をしていきましょう。
 

出典

こども家庭庁 子育て世帯の家計を応援
 
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集