更新日: 2024.07.23 その他暮らし
借金が返せず自己破産を考えています。何かデメリットはありますか?
この記事では、自己破産をした場合に起こるデメリットについて紹介します。自己破産とは違う方法で借金を整理する方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
自己破産しても支払い義務は続く
自己破産の手続きが完了すれば、借金の返済が不要になると考えている方も多いでしょう。しかし、自己破産は支払い能力が無いと裁判所を通じて宣言するものです。そのため、自己破産が認められても法律上の支払い義務は無くなりません。支払い義務を免除してもらうには、裁判所から「免責許可」を受ける必要があります。
自己破産と同時に「免責許可」の申し立てをしたとするか、別に申し立てが必要となるかは住んでいる地域の地方裁判所によって異なります。
お金になるものは基本的に差し押される
自己破産の基本的な流れは、以下の通りです。
●借金をした人が裁判所に「破産手続」の申し立てをする
●借金をした人の財産をお金に換える
●お金を貸した人たちにお金を返す
「お金に換える」ため差し押さえの対象となるものは、借金をした人の財産全てではありません。生活する上で必要な服や家具、食料品などは対象外となります。
また、配偶者が所有する財産の場合、名義が配偶者であれば差し押さえの対象となりません。しかし、共有財産の場合は裁判所への申し立てと登記が必要となります。
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連帯保証人に支払いの義務が移る
借金をしている人が自己破産すると、借金をした際の契約書で連帯保証人となっている人に支払いの義務が移ります。
連帯保証人も支払いができないとなれば、連帯保証人も自己破産せざるをえません。返済の義務がなくなる「免責許可」を、借金をした本人が得られても、連帯保証人の返済義務は続きます。自己破産によって連帯保証人の借金が増える点に変わりはありません。
政府が発行する「官報」に掲載される
自己破産のための手続きが開始されると、借金をした人の名前と住所が「官報」に掲載されます。官報とは、政府が毎日発行している新聞に近い存在です。
一般的な新聞とは異なり、法律・政令・叙位・叙勲などを国民に広く伝える内容を掲載します。インターネット上でも閲覧が可能なため、官報の過去の記事を調べると、自己破産をした経験が分かる点はデメリットといえるでしょう。
引っ越しができない
引っ越しをする場合は裁判所の許可を得る必要があります。自己破産の申告先は居住地域の地方裁判所であり、住む場所が変わると手続きに影響が出るためです。官報で住所が特定されたまま同じ場所に住まなければならない点もデメリットといえます。
クレジットカードが使用できなくなる
クレジットカードの使用・作成の制限は自己破産をした人に起こるデメリットとして知られているものの1つです。クレジットカードやローンの契約・申し込み情報は「信用情報」と呼ばれ、クレジットカード会社が顧客の信用度を図る指標としています。
各クレジットカード会社が会員となっている「信用情報機関」と言われる会社は、官報やクレジットカード会社が登録する顧客の情報を収集し、クレジットカードの発行の可否を判断します。信用情報機関によって信用情報の登録期間は変わりますが、おおよそ5年はクレジットカードの発行は難しいでしょう。
自己破産以外の借金を整理する方法
自己破産の他にも借金を整理する選択肢が主に3つあります。
●任意整理:裁判所を介さず弁護士などの法律の専門家に依頼して借りた相手への返済方法を協議する方法
●特定調停:調停委員会が借金をした人と貸した人の主張を調整し、利息を見直すため借金の減額が期待できる方法
●個人版民事再生(個人再生):借金をした人が将来的に一定額の返済能力があると判断された場合、貸した人の合意がなくても債務整理する方法
今後、返済ができる可能性がある方は、自己破産ではなく上記の方法を検討する余地があります。
自己破産のデメリットを理解して他の選択肢を選べないか考える
自己破産は自身の財産を全てお金にしても返しきれない借金の返済を免除する制度です。借金をしている人にとってはメリットの大きい制度と思えるかもしれません。
ですが、クレジットカードが5年以上は使えない、氏名と住所が全国に公開され、引っ越しが自由にできないなどの代償は、大きなデメリットといえます。借金が返せないと感じて選べる選択肢は自己破産だけではないため、弁護士を介した任意整理や、裁判所の特定調停・個人再生といった方法で返済方法を見直してみてください。
出典
破産法 第三十四条 第三号,破産法第三十七条
民法 第七百五十八条第二項及び第三項,第七百五十九条
民事執行法 第百三十一条第三号
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