更新日: 2024.08.03 その他暮らし
名探偵コナンは「交通違反常習者」!? スケボーで華麗に「公道」を滑走したら、罰金はいくらなの? 未成年なら問題ナシ? スケボーと道路交通法について解説
その中でもスケボーに乗って犯人を追跡する姿がよく見られますが、コナンのように公道をスケボーで走ることは交通違反にならないのでしょうか。本記事ではそんな名探偵コナンのスケボーと道路交通法について解説します。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
コナンの探偵道具のひとつ、「スケボー」
コナンの乗っているスケボーは阿笠博士の発明品のひとつで、正式名称を「ターボエンジン付きスケートボード」といいます。
このスケボーは、超高性能のソーラーボードとバッテリーが組み込まれており、昼間充電しておけば夜でも30分間は使用可能です。78キロの人が乗ってもびくともせず走れるという、コンパクトながら非常に高スペックなスケボーとなっています。
また車顔負けの速度で走ることもできるほか、映画では高層ビルの間を大ジャンプするなど現実離れしたワンシーンもみられます。
スケボーで公道を走っていいの?
コナンでおなじみのスケボーでの公道走行は、実は「道路交通法」に違反します。道路交通法では第76条に禁止行為が定められており、「交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。」と記載されています。
つまり、コナンのように道路上で車と並走してスケボーを走らせていると、道路交通法違反として現行犯逮捕されることもあるのです。
罰金が課せられることも
もし道路交通法で逮捕されると、刑事罰の対象となります。道路交通法第119条には3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金に処するとあるので、場合によっては刑務所に収容されることもあるのです。
またスケボーの爆走によって他の車に危険を与えたり、道路上の信号や看板など付属物を壊したりした場合は道路法第101条が適用され、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることもあります。
コナンは逮捕されるのか?
解説した通り、スケボーで公道を走ることは逮捕事案です。そのためいくら「犯人を追跡しているから」といっても、道路交通法違反である以上、その後ろをパトカーで追いかけてきた目暮警部によってそのままコナンは御用となってしまうのでしょうか。
しかしここで注目したいのがコナンの「年齢」です。知っての通り中身は「高校2年生、17歳の工藤新一」であるものの、世間の認識としては「小学1年生、7歳の江戸川コナン」ですね。刑法では14歳未満の犯罪行為は罰しないと定められているため、道路交通法違反であってもコナンは罪に問われないということになるのです。
しかし目暮警部や高木刑事に「厳重注意」という名のもとのお説教をされる可能性はじゅうぶんあります。
名探偵コナンは「フィクション」
名探偵コナンは犯人を追い詰めるために自らの危険をいとわずスケボーで追跡をします。しかしその追跡中に公道を走行したり、その走行によって周囲に危険を与えてしまったりすると道路交通法違反となります。
コナンは子どもなので罪に問われませんが、スケボーで公道を走るという行為が危険であることに変わりはありません。くれぐれもコナンに憧れて公道をスケボーで走ることのないようにしましょう。
名探偵コナンの犯人追跡劇はあくまでも作品上の演出です。「交通違反だ」「罰金を支払え」などとは考えず、娯楽としてコナンの活躍を楽しみましょう。
出典
小学館 「名探偵コナン」原作公式サイト
e-Gov法令検索 道路交通法
e-Gov法令検索 道路法
e-Gov法令検索 刑法
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級