高級車を買う予定ですが、マンションの契約駐車場に屋根がないため困っています。別の駐車場を契約するべきでしょうか？

高級車の購入を検討している方にとって、安心安全に愛車を保管できる場所を探すことは大きな課題のひとつです。高級車を保有することは一種のステータスになりますが、その分、盗難のリスクも高くなる可能性がある点に注意しなければなりません。
 
また、きれいな状態を維持しながら長く乗るためにも、雨風にさらされにくい場所に保管する必要もあるでしょう。
 
そこで今回は、マンションの駐車場よりも、より丁寧に保管するための高級車の保管場所や屋根付き駐車場の必要性について紹介します。また、車の保護や費用面からみた最適な選択肢を比較検討します。

高級車の適切な保管場所とは？

高級車を自宅の駐車場に保管している家を見かけることもありますが、必ずしも安全とはいいきれません。警察庁の生活安全企画課「自動車盗難等の発生状況等について」によると、自動車盗難の認知・検挙件数・検挙人員の推移は年々減少しているものの、令和5年には自動車盗難の認知件数は5762件です。
 
また、同じ資料の駐車場所別認知件数の推移を参照すると、自動車盗難の発生場所は一般住宅が最も多くなっています。
 
直近である令和5年は、自動車盗難の全体の39.8％が一般住宅で発生しており、約4割が一般住宅で盗難被害に遭っていることが分かります。また、令和5年に起きた自動車盗難のうち、発生場所の26.0％が駐車場です。
 
一般住宅や駐車場で盗難被害に遭っている状況を踏まえると、適切な保管場所は、シャッター付きのガレージやセキュリティ設備が整った駐車場であると考えられます。
 

高級車を青空駐車場に置くリスク

場合によっては、青空駐車場に高級車を停車させなければならないこともあるかもしれません。しかし、可能な限りセキュリティの整っていない駐車場は避けた方が無難だといえるでしょう。青空駐車場に停めることで起こり得るリスクは、以下の通りです。

●雨風や紫外線で塗装や車体がダメージを受ける
●イタズラをされる可能性がある
●駐車場が砂利の場所であれば車体が汚れる可能性がある
●盗難に遭うリスクがある
●高い湿度でカビが発生するリスクがある

屋根などがないことから、直接紫外線や外気に触れることで車体の傷みが早く進行するおそれがあります。また、床面が整備されていない駐車場では、車が汚れる可能性もあります。さらに、ただでさえ目立つ高級車は、人目にさらされることにより人々の興味を引くため、いたずらの対象になる可能性もあるでしょう。
 

高級車専用のガレージに保管するメリット

大切な高級車を丁寧に管理するためにも、屋根付きの専用ガレージがある駐車場を別途契約することを検討しましょう。専用のガレージであれば、24時間機械警備や電動シャッター設備、敷地内の防犯カメラなどセキュリティも万全な傾向があるようです。ガレージは駐車空間が仕切られているため、ほかの車にぶつけられる心配もありません。
 
また、電気自動車に対応した複数のコンセント設備や湿度管理のための強力な換気扇など、車の管理を行うための環境が整っているガレージもあります。
 
通常のシャッター付きレンタルガレージは、地域や設備によって月々の料金は変わりますが、平均で約2万円～3万円が相場のようです。高級車専用のガレージになると、都心の専用駐車場では月8万円～10万円が相場といわれています。
 
いずれも物件によって金額に差があったり、契約条件が異なっていることもあったりするため、自分の求めている条件に合っているのかよく確認して契約することが大切です。
 

維持費も考えたうえでよく検討しよう

高級車は、車のメンテナンスや維持費だけでもそれなりにお金がかかります。車をいたずらや盗難から守るためには、保管場所として別の駐車場を借りることもやむを得ないでしょう。
 
その際には、月々の費用がかかることも考えたうえで、高級車の購入を検討することが必要です。高級車専用ガレージへの保管が費用面で難しくても、自分に合った最適な保管方法を選びましょう。
 

出典

警察庁 生活安全企画課　自動車盗難等の発生状況等について
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー