更新日: 2024.08.14 その他暮らし
一戸建ては買えませんが「キャンピングカー」なら買えます。車を「住まい」に設定できるでしょうか?運転好きなので、車でいろんな場所をめぐりたいです
そこで本記事では、キャンピングカーを生活拠点にした場合の問題点から、キャンピングカー生活のメリット・デメリットを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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車を住まいにする場合の問題点
住宅を購入することに比べると、キャンピングカーは安いうえに自由に移動が可能です。しかし、日本では「住民基本台帳法」によって住民登録が義務付けられており、住んでいる住所を管轄する役所に届け出なければなりません。
では、キャンピングカーに住みながら、住民登録や住民票の所得は可能なのでしょうか。本項では住民登録の要件や住民票取得の観点から、キャンピングカーでの生活と住民登録が両立するかどうかを検証してみましょう。
キャンピングカーに居住は可能だが、住民登録・住民票取得はできない
キャンピングカーには居住できる設備があるとはいえ、基本的に自動車であることは変わりなく、住居というよりは移動手段という意味が強いのは否定できません。
住民登録にはただ単に居住しているという意味以外に、義務教育や選挙、国民健康保険や国民年金など各種行政サービスの基礎になるという重要な意味があります。そのため、実際に居住しているという実態が求められ、住所が設定されている住居は必要不可欠です。
つまり、キャンピングカーに住むことは可能ですが住まいとして特定はできず、住民登録には住所が特定できる住居が必要です。住民登録ができなければ、必然的に住民票の取得はできません。
住民登録をした自治体に住民税を納付
住民税は、所得があるすべての人に納税義務がある地方税です。1月1日現在で住民登録がある自治体に納付しなくてはいけません。
キャンピングカー生活で住民登録をしていない場合は、どこの自治体からも請求が来ないことになります。ただし一定以上の収入があれば、勤務先や確定申告書のキャンピングカー生活前に住民登録した住所地の自治体から住民税の請求が行われるでしょう。
また、住民税を免れたとしても、将来年金の取得が困難になる可能性が高くなります。常にキャンピングカーで生活するのではなく、一定以上の期間は住所地に居住することが必要です。
キャンピングカー生活のメリット・デメリット
本項では、キャンピングカー生活についてのメリット・デメリットをまとめます。ただし、移動手段や旅行など短期間生活するときのメリット・デメリットがメインとなるものもありますので、ご注意ください。
・電源やベッド、水回り、キッチン、トイレなど生活に必要な設備が整っているので災害時の避難場所として利用できる
・旅行するときは宿泊先の心配をせずに自由な計画が立てられる
・ペットや子ども連れての旅行に制限がほとんどない
・宿泊費がかからない
・自宅の購入に比べると安価だが、普通車と比較すると価格や維持費が格段に高くなる
・旅行先での駐車スペースや水や排水場所の確保が困難
・車体が大きいので小回りがきかない
キャンピングカーでの生活は可能だが、住民登録や住民税などは通常通りなので注意しよう
キャンピングカーを住まいとして生活することは、住民登録などの問題をクリアすれば可能です。
しかし、現実的にはかなり難しいと考えられます。日本では住民登録が義務付けられているため、それを怠り税金逃れと捉えられると、違法行為になる可能性もあるからです。将来の年金にも影響があるので、キャンピングカーはあくまでも旅行の手段のひとつだと考えたほうがよいでしょう。
またキャンピングカーは、一戸建ての購入に比べると購入費用や維持費は安いかもしれませんが、移動手段と考えると普通車と比べて維持費も購入費も高くなります。キャンピングカーを購入する場合は、住居にかかる費用と重複することも考慮しましょう。
出典
総務省 住所の異動届は正しく行われていますか?
船橋市 住民登録とは?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー