お盆の新幹線は「全席指定」って本当ですか? 指定席の代金がもったいないので「自由席券」が良いのですが、座ることはできませんか? デッキに立つしかないのでしょうか…?
配信日: 2024.08.17
理由は、2023年末から始まった、3大ピーク期(年末年始、GW、お盆)の「新幹線のぞみ号全席指定席化」にあります。導入後初めてのお盆休みを迎えるので、例年と同じように切符を確保すると後悔することになるかもしれません。
本記事では、お盆に行われる新幹線のぞみ号の全席指定席化について解説します。自由席特急券ではのぞみ号に乗れないのか、自由席特急券の料金で移動できないのかを、東京駅から新大阪駅に行くケースを例に詳しく見ていきましょう。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
全席指定席化は8月9日から8月18日まで
2024年のお盆シーズン、のぞみ号全席指定席化は8月9日から8月18日まで行われます。なお、この期間中は平日ものぞみ号の全席が指定席です。
JR東海によると新幹線の予約のピークは下りが8月10日、上りが8月12日となっています。ピーク前の9日、ピーク明けの13日から16日など、カレンダーでは平日に当たる日ものぞみ号には自由席がないことにも注意しましょう。
指定席と自由席の差額は最大片道1250円
東京から新大阪間の新幹線のぞみ号の自由席特急料金は4960円、8月9日~18日の指定席特急料金は乗車日によって5810円~6210円まで変動します。自由席特急料金と比較し、それぞれの差額をまとめると次の通りです。
・最繁忙期(8月9〜11日、18日)指定席特急料金6210円 差額1250円
・繁忙期(8月12〜13日、16〜17日)指定席特急料金6010円 差額1050円
・通常期(8月14〜15日)指定席特急料金5810円 差額850円
※別途東京から新大阪までの運賃8910円が必要
夫婦2人での往復であれば最大5000円、夫婦と小学生の子ども2人の場合は往復7480円の差がつくため、全席指定席化されて自由席に座れない影響は、決して小さくありません。
自由席特急料金で移動する方法は?
お盆ののぞみ号全席指定席期間は、自由席特急料金での移動は難しいのですが、決してできないわけではありません。2つの方法を見てみましょう。
デッキで立つ場合は自由席特急券で乗れる
全席指定席期間であっても、デッキに立つのであれば、自由席特急券でのぞみ号を使った移動ができます。
ただし、東京駅から新大阪駅までの所要時間は約2時間半です。2時間半立ちっぱなしで移動するのは決して楽ではないでしょう。
なお、JR東海は「自由席特急券で乗車したお客様が、のぞみ号の指定席に着席された場合は、所定の指定席特急料金が必要となります」旨アナウンスしています。誰も座っていないからといって着席した場合、追加料金の支払いを求められるので注意が必要です。
ひかり号やこだま号は自由席を設定
8月9日から18日までの期間、全席指定となるのはあくまでものぞみ号限定で、ひかり号やこだま号には自由席があります。どうしても自由席に座りたい場合は、ひかり号やこだま号を利用しましょう。
ただし、ひかり号やこだま号はのぞみ号より本数が少なく、時間がかかる点に注意が必要です。
例えば、土曜・祝日の9時台に東京駅を出発し新大阪駅まで行くのぞみ号は10本以上ありますが、ひかり号は2本、こだま号は1本しかありません。また、東京駅から新大阪駅までの所要時間は、のぞみ号が約2時間半なのに対し、ひかり号は約3時間、こだま号は約4時間かかります。
さらに自由席は座席の争奪戦となる可能性もあるため、ある程度の覚悟が必要でしょう。
お盆の帰省には注意が必要
2024年8月9日~18日は、のぞみ号の全席指定化が適用される初めてのお盆休みです。いつも通り自由席特急料金で移動しようと考えると、2時間半近くデッキに立ちっぱなしになるかもしれません。
どうしても指定席特急料金が惜しいという人もいるでしょうが、自由席を利用したい場合には、本数が少なくより多くの移動時間がかかるひかり号やこだま号を使わなければなりません。
自由席に座れず立ちっぱなしで移動するリスクを覚悟した上で自由席特急料金で移動するか、お金をかけても指定席特急券を取るか、しっかり考えたほうが良いでしょう。
出典
JR東海 東海道・山陽新幹線お盆のぞみ全席指定席のご案内
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士