小3・小1・年長の3人の親で、いわゆる「多子世帯」です。「大学無償化」の恩恵で、第1子の大学費用は心配しなくても大丈夫ですよね?

配信日: 2024.08.18

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小3・小1・年長の3人の親で、いわゆる「多子世帯」です。「大学無償化」の恩恵で、第1子の大学費用は心配しなくても大丈夫ですよね?
2025年度から多子世帯の「大学無償化」制度が始まります。この制度を活用すれば、子どもを3人以上同時に扶養している間は、国が定める一定の額まで大学などの授業料・入学金が無償となります。
 
とはいえ、この制度を活用したからといって、大学の費用が全くかからないかというと、必ずしもそうではありません。
 
本記事では小3・小1・年長の3人の子どもがいる家庭を例に、大学無償化制度の概要や注意点、実際に費用が無償となる期間や、無償化となってもかかる費用について解説します。
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2025年度から始まる大学無償化制度とは?

2025年度から始まる大学無償化制度は、正式名称を「高等教育の修学支援新制度」と言い、この制度自体は2020年4月からスタートしています。
 
2025年度からの変更点としては、現行制度にある所得制限の撤廃が挙げられ、子どもを3人以上同時に扶養している間は、所得制限なしで、国が定める一定の額まで大学などの授業料・入学金が無償となります。
 

第1子については大学費用がかからない?

小3・小1・年長の子どもを持つ家庭に関して、3人とも大学進学をするのであれば、小3の第1子については原則大学の授業料・入学金はかかりません。
 
第1子の大学在学時の年齢を18~22歳と仮定すると、その時第2子は16~20歳、第3子は15~19歳です。第2子と第3子も大学生あるいは高校生のため、「子どもを3人以上同時に扶養している」という条件を満たしています。
 
ただし「3人とも大学進学をする」という条件が変われば、状況は変わってきます。例えば、第1子が大学3年生になったタイミングで第2子が高校を卒業し、すぐに働き始めて扶養から外れた場合、子どもの扶養人数が2人になるため、制度の適用を受けられなくなります。
 

1人暮らしをする場合には生活費の捻出が必要

大学無償化制度を受けている間には、授業料と入学金は無償ですが、1人暮らしをする際の生活費は住民税非課税世帯で給付型奨学金を支給されているような場合を除き、各家庭で準備しなければなりません。
 
1人暮らしに必要な費用は居住地やお金のかけ方などによって異なりますが、全国大学生活協同組合連合会の調査によると、2023年の1人暮らしの大学生の支出の平均は1ヶ月あたり12万7500円です。
 

1人暮らしの生活費を捻出する際には毎月いくら貯蓄すれば良い?

1人暮らしの大学生であれば、毎月13万円ほどの生活費がかかるというデータを踏まえ、親としてどれくらい仕送りをすれば良いのでしょうか?
 
一概には言えませんが、同じく全国大学生活協同組合連合会の調査では、1人暮らしの大学生に対し、親からの仕送りなどは平均で毎月7万120円です(支出額との不足分については奨学金や子ども本人のアルバイトなどでまかなっている)。
 
この金額約7万円を今回のケースの第1子に仕送りするためには、小3から高校3年生までの10年間に毎月いくらの貯蓄が必要なのかを計算します。
 
まず大学時代の仕送り総額ですが、4年制大学の場合は次のとおりです。
 
・7万円×12ヶ月×4年=336万円
 
そのため、小3から高校3年生までに毎月貯める必要がある金額は次のとおりです。
 
・336万円÷12ヶ月÷10年=2万8000円
 
この金額は第1子だけですので、第2子・第3子の分も考えると、より計画的に貯蓄をする必要があるでしょう。
 

必要な金額を計算し、計画的に貯蓄しよう

子どもが3人いた場合でも、大学の費用が全てかからないとは限りません。早めに必要な金額を計算し、計画的に貯蓄をしたいところです。
 
大学にかかる費用を全て自力で捻出するのが難しい場合、奨学金や教育ローンなどの選択肢もあります。ただ、貸与型の奨学金は子どもが将来返す必要がありますし、子どもが在学時にどれくらいアルバイトなどをするかによっても、親が工面する金額は変わってきます。
 
子どもが小さいうちは、可能な範囲で計画的に貯蓄を進めるとともに、大学進学前には子どもとお金についてよく話し合っておきましょう。
 

出典

文部科学省 高等教育の修学支援新制度
全国大学生活協同組合連合会 第59回学生生活実態調査 概要報告
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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